2013年8月号
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日本農業が変わる

就農者問題を解決するブリッジ

塩見直紀

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日本の就農人口の減少を食い止めるために必要なものとは何だろうか。「半農半X(エックス)」というコンセプトを提唱している塩見直紀氏に聞いた。

「農業配慮者人口」を増やす

農林水産省の統計によると、日本の就農者人口は減少を続けており、平成20年~24年の5年間のデータでいえば、65歳以上がその6割程度を占めている。日本の人口自体、減少・少子高齢化しているとはいえ、やはり強い農業を築いていくためには、支え手となる若い就農者を増やしていくことは必須課題だろう。

綾部への移住者(左)。移住者の多くは20~30代の子育て世代が中心だという。子育て世代が積極的に農村移住し、若い感性、創造性を発揮して欲しいと塩見氏(右)

「就農者を増やすのは簡単ではありません。専業ではないが日本の農業を支える可能性をもつアルビン・トフラーがいうような"プロシューマー"のような人材育成が急務ではないでしょうか」と塩見直紀氏は言う。

塩見氏は農ある暮らしと、仕事や趣味、ボランティアなど自分が本当にやりたいことを両立させるライフスタイルを考案し、それを「半農半X」と名付けた。この言葉は瞬く間に各種メディアで取り上げられ話題となり、03年にはアイデアをまとめた著書を刊行。06年には中国語となり、台湾でも出版された。

塩見氏が活動の中で目指してきたことの一つは「農業人口」ならぬ「農業配慮者人口」を増やすことだったという。

「半農半Xは、田舎に移住して自給生活をする生き方だけを指すわけではありません。たとえば、都会のベランダでハーブの苗を育てるといった、誰もができそうな小さなことも含まれます。実際に土に触れ、自分や家族が食べる作物を育てることで、食や農に対する大事さに気づき、農業に敬意を払うことができる『農業配慮者』がこの国に増えることがとても重要ではと思ったんです。私の周囲でも『農業配慮者』だった人が『就農者』になった例もあります。統計に反映されるほどの数字にはならないでしょうが、この国の真の基礎をしっかりつくっていくことを提案していくことは大切だと思います」。

「デザイン」が農業の突破口に

現在、塩見氏は生まれ育った京都府綾部市で、里山・農村部の魅力を市内外にPRし、都市農村交流や定住促進を行うNPO法人「里山ねっと・あやべ」や、同団体のほか綾部市や京都府など6団体と連携して行う学びの場「綾部里山交流大学」の企画運営などにも従事し、まちづくりに取り組んでいる。

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