企業の集積を促す「チャンスメーカー」埼玉の実力
埼玉県に進出する企業が着実に増えている。その背景には、交通の利便性というメリットだけでなく、誘致の実現に向けたサービス改善の努力がある。
来年、操業を開始するホンダの埼玉・寄居工場は、同社の世界戦略を支える重要な生産拠点である。ホンダの伊東孝紳社長は、会見でこう語っている。
「寄居工場でしか実現できない新しい価値や革新的な技術を生み出し、エネルギー効率を追求する最新鋭の次世代工場としてホンダの世界の工場をリードします。次世代のホンダの鍵となる生産技術を、寄居から全世界に発信し、グローバルな成長へ繋げます」
全国一の充実した高速道路網
ホンダをはじめとして、埼玉県に進出する企業が増えている。上田清司知事が企業誘致大作戦を開始した05年1月以降、累計で567件の進出が決まり、約5020億円の投資と約7000人の新規雇用者を生んでいる。リーマンショックで一時的に落ち込んだものの、現在は持ち直して回復基調にある。
また、本社を埼玉県に移転する企業も多く、帝国データバンクの調査によると、02年~11年の10年間で1324社の転入超過となっており、全国1位の記録である。
全国的な企業誘致競争が激化する中で、埼玉県は、東京・神奈川と比べて地価が安いというメリットはあるものの、補助金などの面で、特に手厚い優遇策を実施しているわけではない。なぜ、埼玉県に多くの企業が集まるのか。埼玉県産業労働部企業立地課副課長・増田文之氏は、こう語る。
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