「健康長寿」の埼玉モデルを確立へ

活力ある健康長寿社会の実現に向けて、東松山、坂戸、朝霞の3市がモデル都市となり、新たなプロジェクトが展開されている。

全国一のスピードで高齢化が進む埼玉県では、健康づくりの施策が喫緊の課題となっている。その危機感を背景に、埼玉県は08年、庁内に健康長寿調査検討チームを設置し、実地調査を開始した。

高齢化が進む人口1.3万人の町が示した医療費抑制のヒント

今年5月に行われた健康長寿埼玉
プロジェクトのキックオフイベント。
左から森田光一・東松山市長、
上田清司知事、
富岡勝則・朝霞市長、
石川清・坂戸市長

調査の中で、参考となるモデルを提供したのが、埼玉県の北部に位置する小鹿野(おがの)町である。小鹿野町は埼玉県で2番目に高齢化が進む市町村でありながら、1人当たりの高齢者の医療費は県内最小に抑えられていたのである。なぜ、そうしたことが可能となったのか。

仮説として考えられた要因は、次の3つである。

  • 徹底した訪問指導
  • 継続する健康づくりの場の創設
  • 住民参加の促進

小鹿野町は人口1万3000人の小さな自治体である。だからこそ、訪問指導のような丁寧な個別対応が実現できたとも言える。果たして、10万人規模の都市部でも「小鹿野モデル」を適用できるのか。それを検証するために今年度から始まったのが、「健康長寿埼玉プロジェクト」の推進である。現在、3ヵ年の計画の下、東松山市、坂戸市、朝霞市の3市で健康長寿の実現に向けた事業が進められている。

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