2020年7月号
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コロナ後の推測

小規模農業者 生き残りの鍵は「ごひいきの関係」づくり

宮治 勇輔(みやじ豚 代表取締役社長)

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養豚農家として湘南・藤沢でブランド豚の生産・加工販売を手がけるみやじ豚。10年以上前からECを導入、顧客との交流イベントを開催するなど、先進的な畜産経営を進めてきた。コロナ危機に際し、小規模農業者が生き残るための視点を、宮治勇輔代表に聞く。

宮治 勇輔(みやじ豚 代表取締役社長)

まずは、コロナ禍を
乗り切る工夫・改善を

人の動きを大きく制限する新型コロナウイルスのパンデミックは、特に観光や飲食店に大きなダメージを与えている。農業分野においては、卸売市場を流通ルートとする従来型農業への影響はそれほど深刻ではないが、独自の顧客ルートや六次産業化に力を入れていた比較的小規模な農業者への経済的インパクトは大きい。

宮治氏は、自身の発信するnoteに“みやじ豚も活動をはじめて15年、最大の危機を迎えています”と綴った。〈みやじ豚〉の売上の柱は飲食店向けの販売だが、コロナ危機により、飲食店向けの売上はおよそ80%減。さらに、毎月1~2回、顧客との交流を目的に行ってきた100人規模のイベント〈みやじ豚BBQ〉も中止を余儀なくされている。

世間では終息後の世界を見据えた事業構築の重要性が叫ばれているが、「その前に、目の前の危機への対応を考えなければなりません」と宮治氏。

今、事業者が真っ先に考えなくてはならないのは、融資などを活用してできる限り多くの現金を手元に集めることだろう。赤字が続いても会社は簡単に倒産しないが、現金が回らなくなれば潰れる。現金を手元に集めたうえで、経営資源をどこに集中させるか。

「攻めと守り。2つの戦略を考える必要があります。当社でいえば、守りはデジタルシフトによる業務の効率化。攻めは、これまできめ細かな運用ができていなかったオンラインショップへの注力です」

EC(ネット販売)の強化においては、肉の組み合わせを変えた新セットをパート従業員でも簡単に考案できる仕組みを整え、毎週、新セットを販売。冷蔵が基本の精肉の冷凍販売や、通常はしない無料配送、週1回のメルマガの配信などを行うことで、ECでの売上をこれまでの3倍にまで引き上げた。

同社ではECにも早くから着手していたが、コロナウイルス感染拡大により移動制限や飲食店の休業などが相次いだことで飲食店向け需要が落ち込んだため、EC施策を強化している

余裕のある豚舎でのびのび育った豚たちの肉質は折り紙付きだ。みやじ豚は2008年に農林水産大臣賞を受賞している

「できることが限られている今こそ、日頃できなかった“緊急ではないけれど重要な仕事”に取り組むことが重要だと考えています」

残り60%

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