eスポーツは地域活性の起爆剤 企業のビジネス活用も広がる
対戦型ゲーム競技「eスポーツ」の市場が、日本でも拡大している。自社のビジネスに活用する動きが出始めたほか、地域活性のツールとしても注目されている。日本におけるeスポーツの展望について、eスポーツコミュニケーションズ・筧誠一郎社長に話を聞いた。
これから確実に伸び続ける市場
――日本におけるeスポーツの現状について、どのように見ていますか。
筧 海外ではeスポーツという言葉が20年以上前から存在していますが、現在、世界の競技人口は1億4000万人以上、年間で4億円以上を稼ぐプロゲーマーもいるなど、eスポーツは巨大なビジネスになっています。
一方、日本でビジネスになり始めたのは、この1~2年です。2017年に4億円弱だったeスポーツの国内市場は、2018年には約48億円と約13倍に成長しました。2018年は、まさにeスポーツ元年だったと言えるでしょう。
現在、小学生の「将来なりたい職業ランキング」にプロゲーマーが入るようになっています。また、テレビを見ない、新聞を読まないような現代の若者にとって、インターネットやスマホで楽しめるeスポーツはなじみやすい。つまり、今後伸び続けることが確約されている市場なのです。
――日本において、eスポーツを普及・拡大させるためには何が重要になると見ていますか。
筧 全国に野球場やサッカー場があるように、各地にeスポーツを楽しめる施設があることが重要です。eスポーツ施設は、それほど大きなスペースを必要としません。しかも、それでいて動員が見込めるのでスペースの効率的な活用になる。そういう意味で、小さな町でも手をつけやすいと言えます。
また、身体障害の有無を問わず、誰でも一緒に戦えることもメリットです。極端な話、目が見えて指を動かせれば、eスポーツはできる。実際、車いすの方が大会に出場することも珍しくありません。
eスポーツは、年齢・性別・言語・国籍など様々な壁を越えて楽しむことができます。現在、高校にeスポーツ部が増えていますが、eスポーツがきっかけで不登校だった生徒が学校に来るようになり、しかもチームのリーダーになったりする。複数の学校で、そうした事例が出てきています。
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