「スポーツ×α」で新事業を創出 企業に求められる3つの視点

スポーツビジネス市場が拡大する中で、企業がチャンスをつかむには何が求められるのか。スポーツを活用した数々の新事業開発に携わるアビームコンサルティング、久保田圭一氏は、「SET」という視点が有用であり、異業種連携による「スポーツ×α」が重要になると語る。

FCバルセロナの本拠地「カンプ・ノウ」。そこでは、「メッシが踏んだ芝生」が売られている

「SET」の視点で
スポーツの新ビジネスを考える

――スポーツビジネスの新規事業を創出するためには、何が重要になりますか。

久保田 私は、スポーツは究極の「コト消費」ビジネスであると考えています。高校野球では、自分の出身校でなくても地元の高校を応援しますよね。そして、頑張っている球児の姿に感動や共感を覚える。その理由は、ロジックでは説明しきれません。スポーツは人が持つプリミティブな欲求を刺激し、感動や共感を媒介として人々の消費行動に強い影響を与える力があります。

久保田 圭一(アビームコンサルティング 執行役員 プリンシパル / P&T Digital ビジネスユニット Sports & Entertainmentセクター長)

コト消費のビジネスを考える場合、3C(顧客・市場、自社、競合)分析のようなモノ中心のビジネスで使われてきた手法では、なかなかうまくいきません。私自身がスポーツを活用した新事業開発に携わる中で、「SET」という視点が有用だと考えるようになりました。SETの「S」はシンパシー(共感を得られるものは何か)、「E」はエコシステム(誰と組むべきか)、「T」はタイム(顧客の時間をどれだけ多く奪えるか)です(図1&・図2参照)。

図1 「スポーツ×α」の検討には、「SET」の視点が有効

出典:アビームコンサルティング資料

 

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