経営の中心にデザインを ビズリーチがデザイン最高責任者を設置

「デザイン経営」の必要条件として、デザインの最高責任者(CDO)を置くこと、事業戦略構築の最上流からデザインが関与することが指摘される。ビズリーチで初のCDOに就任した田中裕一氏に、その意義を聞いた。

文・矢島進二 日本デザイン振興会

 

田中 裕一(ビズリーチ CDO・デザイン本部本部長)

デザイン経営を実践する

ビズリーチは、即戦力人材と企業をつなぐ転職サイト「ビズリーチ」を始め、戦略人事クラウドサービス「HRMOS(ハーモス)」など、人事や経営に関わる多数の事業を運営する会社だ。創業は2009年、現在は1,300人を超える従業員を擁する規模に急成長をしている。

規模が拡大しているが故に、体制の見直しと、経営の最適化を目的に、同社へ2017年4月に移籍し、今年8月にCDO(チーフ・デザイン・オフィサー)に就任したのが田中裕一氏だ。CDOは経営幹部ポストの一つで、プロダクト、ブランド、コミュニケーションなどクリエイティブ領域の執行に対する権限と責任を有している。2015年にジョナサン・アイブ氏がアップル社で初のCDOに就いたことで、表舞台にあがったものと言えよう。

「当社は来年創業10周年を迎えるに当たり、次のフェーズに進むためにも組織自体のあり方を根本から見直す必要がありました。そのため、CDOというポジションを設け、デザインを経営に取り入れることにしたのです。経済産業省・特許庁の『デザイン経営宣言』も踏まえ、デザインを経営にどう戦略的に活用するのか、そして世の中に新しい価値を提供し、課題解決を導いていくかを熟考しました。『デザイン経営』という言葉がもつ本質的な意味を、事業やビジネスで実践し、活かせるように取り組みたいと考えています」

今年8月に再編されたデザイン組織図

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