五輪のサーフィン会場・千葉県一宮町 サーフォノミクスで成果

2020年東京オリンピックにおいて、サーフィン競技の会場となる千葉県一宮町。人口1万2000万人の同町には、年間約60万人のサーファーが訪れる。「サーフォノミクス」を打ち出し、サーフィンによる経済効果を高めることに力を注ぐ戦略について、馬淵町長に話を聞いた。

馬淵 昌也(一宮町長)

ーーー一宮町はサーフィンを活かしたまちづくりを進め、成果をあげています。一宮町の特徴地域資源について、どう見ていますか。

馬淵 一宮町は九十九里浜の最南端に位置し、東に美しい砂浜、西に丘陵台地を控え、海・山・農地・川などの自然環境に恵まれています。明治末期から昭和初期には東京近郊屈指のリゾート地として栄え、歴代の総理大臣のほか、軍人、政治家、実業家など名士の別荘が100軒以上建ち並び、「東の大磯」と呼ばれました。

近年は、東京駅からJR特急で約60分という交通の利便性と多様な物件が入手しやすい価格帯であることから、東京のベッドタウンとして発展しています。日本が人口減少の時代にあって、一宮町は一定の流入者が存在し、人口が微増傾向にある稀なケースとなっています。

交流人口も多く、釣ヶ崎海岸が東京オリンピックのサーフィン競技会場に選ばれるなど国内屈指のサーフポイントがあることから、年間約60万人のサーファーが来訪します。サーフィンを目的に移住される方もおり、そうした方々は若い世帯が多いこともあって、外房地域では例外的に子供数が増加しています。

また、緑と海と太陽に恵まれた自然条件により、トマト・メロン・梨の産地でもあります。農業が基幹産業であることや、東京からのアクセスの良さは、シニア層の移住も呼び込んでいます。

「サーフォノミクス」を推進

ーーーサーフィンを地域活性につなげるために、これまで、どういった施策を行ってきたのですか。

馬淵 2015年10月に策定した「一宮町まち・ひと・しごと創生総合戦略」の中で、「一宮版サーフォノミクス」を打ち出しました。サーフォノミクスとは、サーファーが集まることによる経済効果を指します。

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