メキシコ人を日本へ 訪日客「フロンティア」に挑むスタートアップ

インバウンド客数が少ない国こそ、誘客による事業拡大のチャンスはある。TokyoDivertidoが狙うのはメキシコ市場。日本とメキシコのテレビ局と提携した斬新なビジネスモデルで、富裕層向けの日本ツアーを提供している。

経済成長に伴い富裕層が増えるメキシコだが、現状では訪日観光客数は少ない。写真はグアナファトの街並み
Photo by Reo Fukumoto

多くの日本人にとってあまり馴染のないメキシコだが、近年の経済成長は目覚ましい。中南米最大の産油国であると同時に、安定した政治体制と安い労働コストで製造業も世界トップレベルの競争力を持つ。特に北米・中南米向けの自動車生産・輸出拠点として躍進しており、2015年は生産台数、輸出台数ともに最高記録を更新した。

在メキシコ日本大使館によれば、日本企業の拠点数(2015年10月時点)は前年比18%増の957に達している。

富裕層が急増するメキシコ市場
訪日シェア0.2%はチャンス

ブラジルに次ぐ経済規模を誇る中南米の新興国であり、日本とも関係を深めるメキシコに着目し、インバウンド事業を立ち上げたのが西側赳史氏だ。

西側氏は、異色の経歴を持つ。学生時代にバックパッカーとして中南米に約1年滞在し、文化の多様さや自然の豊かさ、人々の温かさに魅了された。しかし、中南米の国々と日本はつながりが薄いため、「相互理解を深めたい」と、総合商社の双日に入社。双日ではベネズエラ、パラグアイ、ジャマイカで日系自動車メーカーの生産管理やマーケティングに携わっていた。そこで、メキシコ市場に目を付けた。

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