スポーツコミッションの先駆け さいたま市はスポーツの「聖地」

30億円近い経済効果をもたらす「ツール・ド・フランス」をはじめ、さいたま市は、数々の国際大会の誘致に成功。その背景には、誘致活動の専門組織「スポーツコミッション」の存在がある。

サイクリングイベント「ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」は、10万人を超える動員を記録する

歴史的な建造物や町並み、そして美しい自然が残る日本。しかし、そうした観光資源に恵まれない街もある。それでも、街に多くの人を呼び寄せる方法がある。それがスポーツだ。

市内に、大宮アルディージャと浦和レッズという2つのJリーグのプロサッカーチームを擁するさいたま市は、いち早く、スポーツが街の活性化に役立つことに目を付けた。Jリーグがスタートした1993年に「サッカーのまちづくり推進協議会」が発足。2009年には、スポーツを利用した政策を重視する清水勇人市長が就任する。そして、2010年に全国で初めて「スポーツ振興まちづくり条例」を制定。2011年には、さいたまスポーツコミッション(SSC)を設立する。

スポーツコミッションとは、スポーツイベントの誘致と開催支援を行う組織で、さいたま市では観光国際協会内に設置された。行政領域を超えて、機動的に活動を展開する。日本ではなじみの薄いスポーツコミッションだが、アメリカでは1980年代からスタートし、今では500を超える組織が全米各地に存在するほど浸透している。

スポーツで大きな経済効果

スポーツコミッションは、日本では新しい取り組みであり、当然、さいたま市も最初は苦労したという。

「さいたま観光国際協会は、コンベンションの誘致を行っていたので、そのノウハウを活用できました」と、スポーツコミッション事業担当主事である松本洋二郎氏。

それでも、わからないことはいろいろあったという。たとえば、ある競技の全国大会を誘致するために、協会のトップがいる東京の事務所を訪ねてみたが、実は誘致のカギを握るのは、県の競技団体であったなど。情報の収集先さえも手探りであったのだ。

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