銀座から「農×食」の技術を世界へ 「トマト」で海外市場を開拓
全国の生産者、食品関係者を支援するコワーキングスペースを銀座にオープン。銀座農園の飯村一樹氏は、「農×食」の場づくりに力を注ぐとともに、自らトマトのプラント事業を手掛け、海外市場に進出している。
高級店の立ち並ぶ東京・銀座に、多くの人でにぎわうマルシェがある。仕掛けたのは、銀座農園の代表・飯村一樹氏だ。
飯村氏は大学卒業後、建築士として不動産会社でマンションやビルの設計を担当した後、転職したベンチャーで不動産開発、ファンド運営事業を担当し、2007年に銀座農園を立ち上げた。
これまで東京・有楽町駅前の「交通会館マルシェ」や、香川銀行・徳島銀行との共同アンテナショップ「徳島・香川トモニ市場」の運営、シンガポールを拠点にした高糖度トマトの生産販売などを行っている。そして今年3月には、マルシェを開催している東京交通会館ビルの6階に農業・食品事業者向けのコワーキングスペース「銀座ファーマーズラボ」をオープンした。
1日250万円売り上げるマルシェ
2010年に始まった東京交通会館1階のマルシェは、都市における農産物直売所の先駆けだ。集客力も高く、出店したいという生産者・自治体の順番待ちが続いている。
「交通会館マルシェは、有力な生産者を集めた百貨店のようなイメージで運営しています。出店できるのは最大25軒で、売上げによって入れ替えます。5年経ってマルシェとして定着し、トータルで1日200万円~250万円の売上げがあり、出店料は売上げの10%と、他のマルシェより低価格に設定しているので、生産者が稼げる場、マーケティングの場として認知されています。1日20万円を売り上げる農家もあって、仮に毎週末、1年間出店すれば約2000万円の売上げになる計算です」
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