2014年9月号
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デザイン思考のプロセス

技術積み上げ型のモノづくりから脱却 人間中心イノベーション

岩嵜博論(博報堂ストラテジックプラニングディレクター)

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技術の積み上げ型のモノづくりが限界を迎える今、人間をデザインの中心に置いた、新しいイノベーション手法が注目されている。米国デザインスクールへの留学経験も持つ博報堂の岩嵜博論氏が、人間中心イノベーション手法を解説する。

人間中心イノベーションの代表例と言える「Palm」 Photo by chadh

私は2001年の入社以来マーケティングに携わっており、博報堂ブランドデザインや博報堂イノベーションラボでも仕事をしてきた。

この2つを含めた社内の専門部署を束ねるかたちで新設されたのがコンサルティング局で、現在はビジネスマインドとクリエイティブマインドをうまく橋渡ししながらブランディングや新製品・サービス開発、新規事業開発、クライアント企業のイノベーション機会の探索といった、ゼロからイチを生み出すコンサルティング業務を行っている。

その中で、私はストラテジックプランナーとして、食品飲料系、自動車、通信など多様な事業領域で人間中心イノベーション手法による製品やサービス、ビジネスモデルの開発に取り組んできた。

「What to make」の時代に

私の専門である人間中心イノベーションとはどんなものなのか。1つ例を挙げよう。

日本では技術の積み上げ型のモノづくりが好まれる傾向がある。例えば、リモコンにたくさんボタンがついていたり、ガラケー時代の携帯電話には機能が盛り込まれ過ぎて、実際のところはユーザーが使いこなしていないということがしばしば見受けられた。

それと対照的なのが、人間中心イノベーションだ。1990年代後半、パーム(Palm)というPDAが発売された。これはデザインコンサルティング会社のIDEOがデザインしたのだが、非常に興味深いのは「ビジネスマンのシャツの胸ポケットに入るサイズにする」ということが最初に決まっていて、そこから技術を構成していったこと。このように技術先行型ではなくユーザーセンタードの発想でストラテジックにデザインするのが人間中心イノベーションで、今その重要性が高まっていると感じている。

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