真の国際人養成へ実学強化 対中エリート、地元企業後継者育成のため学科新設

埼玉県の教育機関のうち、最も異彩を放っているのが川越にキャンパスを置く東京国際大学だ。実学を重視し各界に人材を輩出していた同校は、さらに地域の経営者育成、対中エリート育成へ向け学科を新設した。

東京国際大学 理事長・総長
倉田信靖

「真の国際人の養成」─これが、本学の創設以来の一貫した教育理念です。

創学者の金子泰藏先生は、太平洋戦争終結の後、GHQが設置された際に奔走した通訳者の一人。戦後の日本が世界に伍していくために必要なものは教育、そして人づくりから─そう痛感した金子先生は一橋学院という予備校を立ち上げ、戦後の復興をリードする多数の人材を育成しました。出身者は20万人を超え、政界、財界にも多数の卒業生がいます。一橋学院での成功は当時の文部省に高く評価され、それが土台となって、1965年に単科で創設された国際商科大学が本学の前身です。その後、1986年より現校名に改称し、5学部11学科、大学院5研究科の総合大学となりました。

ハーバード大学と連携交流プログラム実施

創学者の優れた所は、教育理念の示す通りに、海外に拠点を作った点にあります。旅先で知遇を得たウィラメット大学(オレゴン州)と、創学の年に提携を約束し、国際展開の第一歩を踏み出しました。

以降、1989年にはウィラメット大学に隣接する用地に東京国際大学アメリカ校(TIUA)を開校。現在では世界12カ国(地域)の17大学と提携を進めています。さらに、今年度からハーバード大学のアジアセンターと連携し、継続的な共催シンポジウム、交流プログラムを立ち上げました。英語オンリーのプログラムですが、初年度は60名の学生が意欲溢れる姿勢で参加し、本当に嬉しい成果が得られました。こうした結果、本学学生の8人に1人は海外留学を経験しています。これは、外国語系の大学でも中々ない数字です。

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