2021年5月号
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脱炭素社会

電力取引のプラットフォーム創設 誰もが自由に売買できる社会に

野澤 遼(enechain 代表取締役社長)

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enechainでは、「Building energy markets coloring your life」というミッションの実現を目指し、2019年に国内初の電気のマーケットプレイスを創設した。今後はB to Cにも対象を広げ、環境に優しいエネルギーの取引をサポートしていく。

enechain(東京都港区)は、国内初の流動性が高いエネルギートレーディングプラットフォーム構築を目指すスタートアップ企業だ。電力や石油製品、ガス・液化天然ガス(LNG)などエネルギーのOTC取引(店頭取引)仲介を通じ、顧客とエネルギーをつなぐため、2019年10月に事業を開始した。

100社以上が参加する電力の
マーケットプレイスを運営

「私たちはエネルギーのスタートアップです。現在はB to Bのマーケットを運営し、電気の売買をマッチングしています。顧客数は100社を超え、大手電力会社やガス会社、総合商社のほか、欧米のメジャーも含まれています」。

enechain代表取締役社長の野澤遼氏は、現在の事業内容についてこう語る。enechainのミッションは、「Building energy markets coloring your life」だ。発電・小売企業だけでなく、金融機関や工場、商業ビル、プロシューマー(生産消費者)にも卸取引の機会を提供し、誰もが自由な選択を通じて、自分らしい豊かな人生を送ることができる社会の実現を目指す。

野澤 遼 enechain 代表取締役社長

「私たちのマーケットは現在、事業者向けに運営しています。エネルギー事業者同士が電気の売買を行い、調達した電気を各々のエンドユーザーに売る、業務用スーパーのようなイメージです。その大きなメリットは、価格発見機能と流通機能の2つだと思います」。

enechainのマーケットでは、事業者間で卸電力取引のマッチングを行っている。株式やFXのように、さまざまなプレイヤー間の自由な取引が可能な市場を目指している

マーケットができる以前は、数百社ある小売事業者が電気を売る事業者から毎回見積もりを取り、提示された価格で購入するのが一般的だった。このため、フェア・バリュー(適正価格)が見えにくかったが、マーケットの創設を通じ、それが見えやすくなった。また、流通面では電気を売買する事業者間でその都度、交渉する必要がなくなり、オンラインで速やかに取引できるようになった。

「2016年に電力が自由化された日本では、それまでマーケットへのニーズ自体がありませんでした。自由化後は事業者間で個別の交渉がなされてきましたが、手間がかかります。そのペインが認識されたタイミングでマーケットを創ったので受け入れられたのだと思います」。

また、日本における電気の売買では、電源や発電に使用される燃料の情報はわからないことが多いが、それらを見られるのもenechainのマーケットの特長の1つだ。そこでは、脱炭素社会の実現に向けて重要なCO2排出量に関する情報を見ることもできる。「『脱炭素化』と『デジタルトランスフォーメーション(DX)』には力を入れています。私たちは、我々のオンラインマーケットを通じて業界全体の脱炭素化とDXに貢献したいと考えています」。

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