日本初の入場料制書店「文喫」のビジネスデザイン

出版取次業最大手である日本出版販売は、2018年12月に新業態となる本屋「文喫(ぶんきつ)」を開業した。日本初となる入場料制による本屋であり、土日は入場規制するほど人気を集めている。全く新しい事業モデルはどのように生まれたのか。

文・矢島進二(日本デザイン振興会 理事)

 

文喫は2019年度グッドデザイン賞でグッドフォーカス賞[新ビジネスデザイン賞]を受賞

文喫は入場料1,500円(税抜)を払えば、おかわり自由の珈琲・煎茶付きで、何時間でも好きな本が座って読める画期的な本屋だ。プロのブックディレクターが選んだ科学から小説、デザインやアートに至る約3万冊が揃い、もちろん全て購入可能だ。

文喫をプロデュースしたのは、日本出版販売(以下、日販)のリノベーション推進部YOURS BOOK STORE事業課の武田建悟氏だ。まず「YOURS BOOK STORE」とは何かについて伺った。

武田 建悟(日本出版販売 リノベーション推進部 YOURS BOOK STORE事業課)

「2015年に当社でリノベーショングループという部署が立ち上がった際、ブックディレクションを行うブランドとして生まれました。出版市場はシュリンクし、本屋が減少していく中で、取次業として何を行うべきかを考えました。たどり着いたのが『人と本をつなぐ』ことです。本屋に限らず、本とのタッチポイントを増やすこと。とは言え、まずは本と本屋の魅力の再構築に取り組みました」

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