リクルート 無料POSレジアプリでスモールビジネスを変える

QR決済などのキャッシュレス化の波や、10月に控えた消費税率改定と軽減税率対策など、店舗のレジ環境は大きな変動期を迎えている。こうした中、急速に浸透しているのがリクルートの「Airレジ」だ。店舗の"不"を解消するというビジネスデザイン手法に迫った。

文・矢島進二(日本デザイン振興会 理事)

 

リクルートは店舗業務支援の「Airシリーズ」を展開。無料のPOSレジアプリ「Airレジ」のほか予約や決済などのサービスも提供し、エコシステムを形成している。多数のサービスがグッドデザイン賞を受賞している

リクルートは求人や人材派遣、メディア業のイメージが強いが、近年注力しているのが「業務支援サービス」と呼ぶ事業領域だ。その主力が、2013年11月にリリースした無料のPOSレジアプリ「Airレジ」。ネット環境とiPadかiPhoneがあれば、会計や売上分析が簡単にできるソリューションである。

「Airレジ」は初期費用も月額費用も無料。売上分析や在庫管理、顧客管理なども可能なサービスだ

2019年3月の段階でアカウント数は40万を超え、モバイルPOSレジアプリではシェア1位を誇っている。現在では、レストランや雑貨店、治療院、ヘアサロン、離島のアクティビティ、音楽フェスや学園祭に至るまで、業種はバラエティに富む。

「Airレジ」の他に、注文・調理・配膳を簡単にするオーダーエントリーシステム「Airレジ ハンディ」をはじめ、待ちの不満を解決する受付管理アプリ「Airウェイト」、簡単に使える予約管理システム「Airリザーブ」、カード・電子マネー・QR・ポイントもつけるお店の決済サービス「Airペイ」、やりとりも作成も楽になるシフト管理サービス「Airシフト」など、店舗業務に関連する多数の支援サービスを展開。「Airレジ」を中核としたエコシステムを着々と形成している。

様々な決済方法にオールインワンで対応できる「Air ペイ」

「我々はメディア業を営んでいるので店舗とは接点があり、バックヤード業務がIT化されておらず大変な状態であるのを知っていました。どんな業種でも店舗には会計業務は必ずあるので、最初はレジ関連から入ろうと考えました。当社として初めての事業領域でしたので、店舗から常に学びながら、新サービスを計画してきました」と、リクルートライフスタイルでAirシリーズ統括プロデューサーを務める林裕大氏は語る。

林 裕大 リクルートライフスタイル
Airシリーズ統括プロデューサー

林氏は2006年入社し、ホットペッパーグルメの札幌営業を担当。2011年にネット企画部署に移り、新規事業やUXなどを担当した後、2017年4月からAir事業部に移籍する。

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