はとバス、ポスト五輪にも照準 東京観光の新しいカタチをつくる

戦後間もない1948年に創業し、観光ツアーを通じて東京の変化を見つめてきた「はとバス」。ツアーの企画・販売・実施を一気通貫で担い、高品質のバスツアーで人気を集めている。70周年を迎える「第2の創業期」、国内外へのアピールを強化し、さらなる成長を狙う。

中村 靖(はとバス 代表取締役社長)

――はとバスは1948年に創業し、今夏に70周年を迎えます。現在、どういった戦略を進めていますか。

中村 70周年を迎える2018年、ラグビーワールドカップが開催される2019年、東京オリンピック・パラリンピックの2020年を、はとバスは「第2の創業期」と位置づけています。はとバスの強みや特徴を内外にアピールし、新たな顧客層を開拓しなければなりません。

はとバスは、ツアーの企画・販売・実施までを全て内製し、品質の高いツアーを数多く揃えていることが強みです。案内役のバスガイドも魅力であり、2階建ての屋根なしバスが象徴的ですが、バスでの観光は移動を「体験」として楽しめます。

また、高品質の根底には安心・安全があり、安全運行には非常にこだわっています。そのぶん、ツアーの価格は「適正価格」です。安くはないけれどお得感がある、価格に見合ったツアー企画をつくり込んでいます。

高価格帯のバスも用意しており、最上級バス『ピアニシモⅢ』は、ゆったりしたシートやお手洗い付きの車両で、高級レストランでランチを取るツアーも人気です。価格と品質のバランスで支持を高め、リピーターを増やしたいと考えています。

70周年事業として、特徴のあるツアーを用意しています。例えば、「東京コンストラクション」は、通常は入れない東京スカイツリーの構造部を見学したり、有名建築家による都内の建築を観光できるツアーです。ダイナミックに変わっていく東京の姿、建築中の施設を見ることができます。

また、HOOTERSとバーレスク東京をはしごするツアーや、ニューハーフショーの観覧ツアーなど、大人向けの夜のツアーも人気です。

70周年では、他にもユニークな企画が若手の社員から提案されています。ツアー企画では、意外なものがヒットする場合もあり、保守的にならず、尖った企画をどんどん打ち出していきます。

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