1兆円の習い事市場に新風 検索・マッチングの急成長ベンチャー

20年後には今ある職業の半分がAIに取って代わられると言われる時代、子どもの可能性を広げる「習い事」への保護者の関心は高いが、習い事の検索・マッチングには課題も多い。ここに着目し、習い事検索・定額体験サービスを提供するのがスクルーだ。

犬塚 亮(スクルー 代表取締役)

市場は1兆円規模
習い事探しには課題が山積

日本の小学生以下の習い事市場は、約1兆円規模と言われている。習い事の種類は英語やプログラミングなど多様化しており、保護者も子どもに多彩な経験を積ませたいというニーズが高まっている。ある民間調査によれば、81%の小学生の子どもが習い事に通っているという。

しかし、自宅から通える範囲にどんな教室があるのか情報が少ない、教室・教師と子どもの相性が合うのか、などの不安を抱える保護者も少なくない。このような習い事市場の可能性と課題に着目し、習い事の検索および定額体験サービスで成長するスタートアップがある。犬塚亮代表が率いるスクルーだ。

犬塚氏は2003年、中堅ゼネコンの新規事業として子会社の立ち上げを担当したのち、05年にキーエンス子会社のイプロスに転職。同社が運営するBtoB商材のマッチングプラットフォームの企画部門責任者を務めた。

そのキャリアにおいて、子どもの教育事業とは何ら関わりはなかったが、自身が子育てで感じた悩みが起業のヒントになったと語る。

「娘に習い事をさせようとネットで検索したら、非常に探しづらかったのです。出てくる情報は大手教室ばかりで、個人や小規模の教室は家の近くにあっても見つけられない。しかも、多くの教室は体験レッスンを1回しか受け付けておらず、本当に子どもと相性が良い習い事なのか、判断ができなかったのです」

同時に、自分の子ども時代を振り返った。「私は家族の影響もあり、ずっとスポーツ系の習い事ばかりしていました。『子どもの頃にもっと色々な経験をしておけば、人生が変わっていたかも』と、誰もが一度は思ったことがあるはずです。習い事の選び方は保護者の好みや経験が大きく影響し、必ずしも子供に合った習い事が選択されていないことに課題を感じました」

かつてイチから新規事業の立ち上げを経験したこともあり、起業意欲が高かった犬塚氏。習いごと探しに関する保護者の不満、不安の解消にビジネスチャンスを感じ、一念発起してスクルーの創設を決めた。

習い事の検索・定額体験サービス「スクルー」

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