2018年3月号
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ザ・ライバルズ

ジャフコvsニッセイ・キャピタル エグジット、IPOの成果

月刊事業構想 編集部

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CVCの動きが活発になる中、VC各社も新たな取り組みを進め、存在感を示している。IPOを果たした投資先企業がまもなく1,000社になるジャフコ、豊富な資金力をバックに幅広い業種のスタートアップ支援に軸足を移し始めたニッセイ・キャピタル。二つの老舗VCの現状を見る。

若き起業家支援に軸足を移す老舗VC

CVCファンドの動きが活発になる中、いわゆるベンチャーキャピタル(VC)にも新しい取り組みが目立ってきた。国内VCの代表格といえばジャフコ。1973年、野村證券と日本生命、旧三和銀行の合同出資による「日本合同ファイナンス」として設立され、主に未上場中堅・中小企業への投融資を行ってきたVCのパイオニアだ。1994年にソフトバンク、1995年にHISの上場も実現、比較的事業基盤の安定した企業への投資が中心だったジャフコが、スタートアップ投資に力を入れるようになったのは1990年代後半からのこと。ファッション通販のZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイは、1998年の設立翌年にジャフコの融資を受けて急成長、昨年9月に東証マザーズに上場した。転職サイトを運営するビズリーチも、サイトオープンの1年後、2010年にジャフコから資金を調達、現在、上場を射程範囲に収める。ジャフコは2014年にユーチューバーのマネジメントを行うUUUMに約5億円を投資、昨年の東証マザーズ上場時には株主順位第3位となっている。数多くのスタートアップに広く浅く分散投資するのではなく、選びぬいた才能に果敢に集中投資し、徹底してつきあうのが、最近のジャフコのスタイルだ。

一方、日本生命の100%子会社として親会社の運用施策の一翼を担うのがニッセイ・キャピタル。親会社の豊かな資金力をバックボーンとするという意味で他のVCとはやや色合いが異なり、1991年の設立以来、 業種を問わず幅広い対象にバランスよく投資してきた感がある。上場社数は250社を超えるものの、上場が近づいてからの投資が中心という印象も強く、ベンチャー投資も、シード、アーリーステージよりはミドル、レイターステージが中心の堅実なスタイル。ところが、ここへ来て生まれたての企業への投資に力を入れ始めた。2013年には、2007年に設立されたクラウド名刺管理サービスのSansan、2012年には、学生が起業したクラウド経費精算サービスのベアテイルに投資、昨年は、ワンストップIoTサービスのスカイディスク(2013年設立)、汎用AI開発の日本人工知能研究開発機構(2016年設立)に投資している。昨年12月からから始まったアクセラレーションプログラム「50Mプログラム」では、活動資金500万円を提供、継続支援先には5,000万円を出資するという内容によって起業家の間での存在感アップを狙う。

事業会社のCVCファンドによるスタートアップ投資は、投資側にとって協業の促進、即戦力としてのシナジー創出という目的があるため、その事業会社のカラーに染まってしまうのでは、と懸念するスタートアップもあるだろう。一方、本来立ち位置の違うVCの役割は、CVCがさかんになっても変わることがない。

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