公民学が連携したまちづくりの推進組織・施設である「アーバンデザインセンター」の設立が、日本全国で相次いでいる。アーバンデザインセンターは地域をどう変えるか。第一人者たちが話し合った。(イベント「地域×デザイン2017」トークセッションより)

千葉県柏市の柏の葉キャンパスエリア。2006年に日本初のアーバンデザインセンターが設立された
公民学連携組織「UDC」とは
地域課題の解決に向け、まちに関わるさまざまな団体が連携し、統合的なまちづくり行う推進体である「アーバンデザインセンター(UDC)」。日本では2006年に第一号のセンターが設立され、現在までに全国各地で15のセンターが設立されている。
「UDCは行政の外郭団体ではないし、大学内の組織でもありません。公・民・学の組織がそれぞれ資金や人、施設を出し合って、共同で運営するというのがUDCのスタイルです」と話すのは、柏の葉アーバンデザインセンター(UDCK)センター長の出口敦氏(東京大学大学院新領域創成科学研究科教授)。特定のステークホルダーの立場に立たず、中立的に持続可能なまちづくりを推進する手法として、UDCは注目を集めている。
「都市は使い捨てるものではなく、暮らし続けるものであり、地域自らが都市をマネジメントする必要があります。また、人口が減少し、都市間競争が激しさを増しているなかで、これから都市に必要なのは地域資源の活かし方。つまり、地域資源を引き出し、デザインし、より魅力的なものにしていく作業が求められます。UDCは地域のデザインセンターとして、その役割を担います」

出口敦
柏の葉アーバンデザインセンター センター長

柏の葉アーバンデザインセンター(UDCK)の拠点

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