耕作放棄地、貧困、ジェンダー・・・ 社会課題をツアーコンテンツに

旅を通して社会に潜む問題と出会う。一風変わったツアー「Travel the Problem」を展開するリディラバ。へき地医療や福祉、性教育など、150以上のテーマでツアーを開催。代表の安部氏は「誰もがフラットに社会問題へアクセスできる仕組みづくり」を目指す。

社会課題をコンテンツに昇華させた、リディラバのスタディツアー(耕作放棄地再生のためのお茶栽培の取り組みを聞く参加者)

社会の〈無関心〉を打破するプラットフォーム

「解決が困難な多くの社会問題の前には、人々の〈無関心〉という大きな壁があります。この社会の大きな無関心の構造を変えたい」。そんな思いで2009年に安部敏樹氏が始めた個人向けのスタディツアーが、リディラバの原点だ。

現在は東京大学大学院に在籍し、起業家としてだけでなく、研究者としても活躍する安部氏だが、中学時代は学校へ行かず駅前でたむろする非行少年だった。当時痛感したのは、周囲の徹底的な無関心と、当事者が固まっても一向に問題は解決しないという現実だ。 「ホームレスが100人集まっても、ホームレス問題は解決しないでしょう。当事者だけでは解決されにくい問題だから、非当事者に関心を持ってもらわないといけないのに、その仕組みがないのです」。様々な課題に対し、誰もが当たり前のように関心を持てる。安部氏が目指すのは、そのための次代のプラットフォームの構築だ。

社会問題をコンテンツに昇華

無関心を関心に変えるには、メディアが必要だ。安部氏は〈旅〉を「人生を変える力を持つメディア」と位置付ける。

Webや紙のメディアは情報収集には役立つ。しかし、例えば移住の情報が全て揃ったとして、実際に移住するかといえば確率は低い。一歩踏み出すためには、課題解決のために自分の時間を費やしたいと思う体験が必要だ。

純粋なWebメディアなら、情報を入手するのに5分あれば十分だろう。一方、旅なら1日~3日、場合によってはもっと長い企画も可能。

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