シェアリング、本当の可能性 「次の変化」を探る

場所・モノ・人・スキルなどの遊休資産を、個人間で共有する「シェアリングエコノミー」。今後、どのような領域で、新しいサービスが広がっていくのか。シェアリングエコノミー協会の代表理事も務める、ガイアックスの上田社長に話を聞いた。

─シェアリングエコノミー(共有経済)が急速に拡大している背景には、どのような変化があるのですか。

上田 大きな要因は、SNSの浸透で他人とのコミュニケーションの敷居が下がったこと、そしてスマートフォンの発展で、いつでもどこでもリアルタイムにつながるようになったことです。その結果、以前は企業が提供していたサービスを、ユーザー同士が直接取引できるようになりました。

─これまでの経済システムとの違いは、どういった点にあるのですか。

上田 資本主義経済は、人々に過剰な消費・所有をさせることで成立しています。

街の駐車場には、いつも自動車が停まっている。当たり前のように見えますが、実はヘンなことです。あるデータによれば、自動車の利用率は約5%で年20日程度、総住宅数の約15%が空き家だそうです。それだけの遊休資産があるにもかかわらず、私たちは、過剰に所有することに慣らされてきました。

今、一人一人が自分のモノを所有することは当たり前でなくなり、人々の消費スタイルが、単独所有から共同利用へと変化しつつあります。人と人がつながりやすくなったことで、過剰生産、過剰所有が見直されつつあるのです。そこに、シェアリングエコノミーが急激にシェアを伸ばしている理由があります。

上田 祐司(ガイアックス 代表執行役社長、シェアリングエコノミー協会 代表理事)

これから有望なのは「食」

─ガイアックスは、10社以上のシェアサービス企業に投資していますが、有望なサービスの見極めをどう行っているのですか。

上田 市場規模の大きさは見ています。例えば、家計消費で大きな比率を占めるものは、今後の伸びも期待できます。自動車や旅行は消費額が大きな分野ですが、そこで成長しているのが、UberやAirbnbです。

また、モノによって向き・不向きがあります。月額でバッグが借り放題になるサービスがありますが、服と比べたらバッグの方がビジネスになりやすい。服はサイズ・色違いで個人の嗜好が細分化していますが、バッグの種類は限られます。また、服は頻繁に洗濯する必要がありますが、バッグはその必要がなく、長持ちします。

そうした要素を掛け合わせて判断し、投資先を決めています。海外の新サービスも逐一チェックし、動向を追うようにしています。

外国人の自宅で楽しく話しながら料理を学ぶサービス「Tadaku(タダク)」。食の分野でも、シェアリングが拡大している

─今後、どういった領域で、シェアサービスが広がっていくと見ていますか。

上田 今、「食」に注目しています。食事は2人分でも3人分でも、つくる手間は大きくは変わりません。“ご近所さん”で食事を共有すれば、生活の楽しみにもなる。欧米ではすでに、人の家を訪ねて一緒に食事をする「食のシェア」が始まっています。

ただ、日本では、免許がないと有償で料理を提供することができません。そのため、「料理教室」という形にして、外国人の自宅で楽しく話しながら料理を学ぶ「Tadaku(タダク)」というサービスに投資をしました。

今後の日本経済を支える

急拡大するシェアリングエコノミー市場

全世界の市場は、2025年に3350億ドルに。

※金融、人材、宿泊施設、自動車、音楽・ビデオ配信の5分野におけるシェアリングの合計
出典:PwC「The sharing economy‐sizing the revenue opportunity」

 

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