生きたプロジェクトが生まれる「場」 Fablab×YCAM

メディアテクノロジーを用いた表現の探究を軸に活動を展開する山口情報芸術センター[YCAM]。デジタル工作機械を用いて地域課題を解決するモノづくりを行う実験的な市民工房「FabLab」。地域と全国、世界をつなぐ両者の共通項は「トランスローカル」の考え方だ。

「コロガルパビリオン」は2013年にYCAMが始めた屋外メディア公園。スピーカーやマイク、LED照明など様々な「メディア」を使った仕掛けが埋めこまれている
写真提供:山口情報芸術センター[YCAM]

生きたプロジェクトが生まれる“場”

山口県山口市の山口情報芸術センター(通称YCAM)は、2003年に開館した複合文化施設。開館から12年となる2015年には来館者数900万人を達成。年間70万~80万人の来館者数は、博物館に約5万人、図書館に約18万人。山口市の人口が約20万人ということから考えても格段に多いと言える。

YCAMのアソシエイトキュレーターである井高久美子氏は「オープン以来、“情報と芸術”を基軸に、様々な芸術作品やパフォーミングアーツ、展覧会、講演、ワークショップなどを“作って、発信して、普及する”ことを続けてきました」と話す。

山口情報芸術センター アソシエイトキュレーター 井高久美子氏

YCAMの最大の特徴は「R&D(研究開発:Research & Development)プロジェクト」と呼ばれる形態を中心に多数の事業を創出していることだ。YCAMインターラボという研究開発チームを内部に設置。キュレーター、エデュケーター、エンジニア、デザイナーなど、全国から集まった多彩なスキルを持つ若者20名が常駐し、市民やアーティスト、研究者、外部エンジニアとコラボレーションして、コンセプトづくりから作品制作、展覧会企画やワークショップの開発などを手がけている。

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