Uber、Netflixに続く「フィンテック」新事業は起きるか
日々耳にする「FinTech(フィンテック)」は、日本の企業や金融業界、IT業界へどう影響するのだろうか。FinTechは最新技術を駆使した金融サービスを指している。現在の最新技術としては、スマホのインフラやビッグデータ、人工知能などが挙げられる。
「その言葉自体はアメリカでは1990年代から使われていますが、最近あらためてFinTechブームが到来しています。もともと金融ビジネスはコンピュータの歴史とともに発展してきて、最新技術を駆使した新しいFinTech 2.0が登場してきました」と、野村総合研究所の楠真理事は話す。
金融業界に改革は起こるのか
コンピュータの歴史から見ると、現在は「第3世代プラットフォーム」にあたるという。コンピュータが出現してからこれまでの世代のことを指しているが、コンピュータ上で動くアプリケーションや社会システムまでを含めてプラットフォームと定義している。「第1世代プラットフォームでは、IBMが主導権を握り、コンピュータを企業に普及させました。第2世代プラットフォームでは、1人に1台、パソコンが普及し、マイクロソフトが王者となりました。
FinTech2.0
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第3世代は、1社が君臨するのではなく、Apple、Google、フェイスブックなど多数の企業が強い影響力を持っています」第3世代プラットフォームで、産業に改革を起こした例は、UberやNetflixだ。Uberはタクシーに取って代わり、Netflixの登場はビデオレンタル店を激減させた。同様に金融業界の中で最新技術を使ったものがFinTechだ。
FinTechは、「金融」と「金融テクノロジー」の2つを分けて考えることが重要だという。金融事業は、法律や規制の厳しい世界。テクノロジーが変わったからといって規制を無視するわけにはいかない。一方、金融テクノロジー事業はあらゆる企業にとってビジネスチャンスとなる。「アメリカではFinTechは進んでいますが、日本とは法規制、個人情報の扱い方など違いがあるので同じことをそのまま日本に持ち込むことは難しい。日本の状況を知り、不便だと思うことを解決するアイデアを持つ人にビジネスチャンスがあるのです」
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