メディア形態の新事業 「売らない」モデルで成功

ニッチだが、熱狂するファンがいる市場を狙う「アイランド」。トレンドになる一歩先に、「お取り寄せ」「料理ブログ」「朝活」のメディアを立ち上げ、市場をつくってきた。その先見性とオリジナリティの源泉とは何か。

粟飯原 理咲(アイランド代表取締役)

新規事業は“適創適所”で

「新規企画・事業を立ち上げる時に重要なのは、適材適所ならぬ“適創適所”」と語るのは、アイランド代表取締役の粟飯原理咲氏。どんなに良いアイデアも、ふさわしい場所で育てなければ決して伸びないという。

粟飯原氏は、大学を卒業後、NTTコミュニケーションズで4年、リクルートで3年の計7年間、新規事業、次世代事業の立ち上げに携わった。

起業のきっかけとなった「おとりよせネット」を自身で立ち上げようと決めた大きな理由は、この適創適所だ。“お取り寄せ”という言葉自体が浸透していなかった当時、リクルートという大企業で提案するには市場規模が小さすぎた。大企業に合わない企画なら、自身で立ち上げれば良い。「今は小さくても、10年かけて伸びていく市場だと肌感覚で感じていました」。その感覚にかけ、起業を決意した。

2003年にアイランドを創業し、代表に就任。その社名は“創造の宝島(クリエイティブ・アイランド)”の意味が込められている。「毎日の小さな幸せを提供できる“場”の創造が社のビジョン」と語った。

女性向けライフスタイルメディアの運営を手がけ、現在展開している事業は3つ。日本最大級の“お取り寄せ”をテーマにした口コミポータルサイト「おとりよせネット」、レシピブロガー約1万6000人が参加するお料理ブログポータルサイト「レシピブログ」、そしてVOYAGE GROUPと設立した合弁会社「メルメディア」として運営する、日本初の朝型ライフスタイル提案サイト「朝時間.jp」だ。3つのサイトを合わせた月間ユニークユーザーは300万人を超え、年間250誌以上のメディアに取り上げられている。

「おとりよせネット」では商品を販売せず、“紹介”に特化し、オンリーワンの立ち位置に

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