2015年6月号
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農業を変えた新発想

「楽しく儲かる」で農業を再生 目指すは「耕作放棄地ゼロ」

西辻一真(マイファーム 代表取締役)

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東京都の約2倍、全国に散らばる約40万ヘクタールの耕作放棄地の再生を目指し、起業した農業ベンチャーがある。2007年に創業したマイファームだ。単に「儲かる」ではなく、「楽しくて儲かる」農業を実現し、担い手を増やしている。

西辻代表が立ち上げた農業ビジネススクール「アグリイノベーション大学校」。農業の世界で活躍する数多くの人材を輩出している

「農業というと、『作業が大変』、『重労働』といったマイナスイメージがありますが、本来、農業って楽しいもの」と話すのは、マイファームの代表を務める西辻一真氏。

1982年に、東尋坊で有名な福井県三国町で生まれた西辻代表。子供の頃に体験した、家の裏庭にあった「家庭菜園」の楽しさが農業への入り口となった。

高校時代、学校へ通う道すがら、使っていない農地が目についた。「農業は楽しいもの」と感じている西辻代表の頭に、「土地が余っているのに、なぜ農業をやらないのか」という素朴な疑問が浮かび上がった。

これが、その後の起業の原点となる。

「アグリイノベーション大学校」では、座学から実習まで豊富なカリキュラムを提供し、幅広く農業ビジネスの知識を教えている

必要なのは、「農業を楽しむ場」

京都大学農学部に進学した西辻代表は、大豆の品種改良に取り組んだ。西辻代表の所属した研究室では、他の研究室が開発した新しい品種の大豆を、実際に農場で育てていた。

虫に強い作物をつくる、栄養価の高い作物をつくる。大学の研究は生産効率を追求した新しい作物をつくり出すことに特化していた。

「2050年、地球の人口は90億人になると言われています。食料危機を救うために、生産効率の高い作物を研究することは意味があります。でも、食料生産というのは、『生産効率×農家の数』で決まるもの。『生産効率』を高める活動は多くのところで行われていますが、『農家の数』を増やす取り組みは、抜け落ちていると感じました」

西辻一真 マイファーム 代表取締役

農家の数を増やすには、農業で儲かる仕組みが必要になる。そして、農家の数が増えれば、耕作放棄地の活用にもつながる。そう考えたとき、小さい頃、家庭菜園を体験した楽しい思い出が頭に浮かんだ。

「より多くの人が農業に興味を持つためには、単に『儲かる』ではなく、『楽しくて儲かる』という発想が求められます。そのためには、僕のように『農業は楽しい』と思える体験を提供する必要があると思いました」

空いている農地を活用し、農業を楽しむ場を創造する。大学時代に思い付いたこの発想が、卒業後半年で創業したマイファームに結び付いた。

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