あり得ないから面白い。

世界的なファッションデザイナーとして著名なコシノ・ジュンコ氏は、常に新たなことに挑戦し、未知なる分野を切り拓いてきた。コシノ氏の近年の活動に触れながら、本年8月、事業構想大学院大学で開催された特別講義の内容をレポートする。

日本の文化・伝統の強みを産業化し、それを国際展開するための官民連携による推進方策及び発信力の強化について検討する―安倍晋三首相の下、日本経済再生戦略の一環として、クールジャパン推進会議が今年3月に始まった。

コシノ・ジュンコ氏は、この重要な会議に委員として参加。いかに日本文化を世界に発信し、輸出していくかに力を注いでいる。

本講義でも、日本文化輸出のための方法論について、世界を知るコシノ氏ならではの、「外の視点」「受け手の視点」を意識したアプローチについて触れた。

「美しい国日本、と言います。美しい、と言うのは見た目、ビジュアルのことですね。しかし、見た目だけで、人は満足するでしょうか。そこで、『美しい』に『味』を足して、『美味しい日本』としたらどうか、と会議で提案しました。日本人の良さ自体も、目で楽しみ、中見があって納得する所にあることも理由です」。

同時に、コシノ氏は『面白い日本』という切り口も提案している。面白さ、とは可能性を示す言葉であり、同時に、日本語、そして漢字の美しさをアピールできるからだ。日本文化の価値向上に向けて、「自分」の視点ではなく、日本の良さや価値のPRをいかに実現するかということに心を砕いている。

ミャンマー、ポーランドで日本をセールス

クールジャパンの動きは、日本政府の外交と連動している。このことにあわせ、コシノ氏も活発に活動を展開している。

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