2013年8月号
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小さな会社の大きな偉業

アイデア・メイカーの本領

八木啓太(ビーサイズ代表取締役社長)

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1人で開発したLEDデスクライトで「グッドデザイン賞」を受賞し、トヨタのレクサスともコラボするなど、着実に実績を築きつつあるビーサイズ。社長の八木啓太氏は、「製品アイデアは世の中が教えてくれる」と自身の哲学を語る。

「1人家電メーカー」として注目を集めるビーサイズ。同社が発売したLEDデスクライト「STROKE(ストローク)」は、2011年度の「グッドデザイン賞」、世界的に権威のある独「レッド・ドット・デザイン・アワード」を受賞するなど、そのユニークなデザインは高い評価を得ている。

販売も順調に伸びており、購入者から直接、メールで感想が届くこともあるという。八木啓太社長は、「それが本当にうれしい」と語る。

「写真を撮って、『こんなふうに使わせていただいています』と送って下さる方もいます。そこまでしてくれるのは、多分、僕が作ったという顔が見える製品だからだと思う」

かつて、日本の大手メーカーも「顔が見える」企業だった。ソニーの創業者、井深大氏は設立趣意書の中で「経営規模としては、むしろ小なるを望み」と記し、技術で世界を変えようという姿勢を明確に打ち出していた。

ビーサイズは、時代の先端にいる企業であると同時に、ものづくりの原点に立ち返った企業なのだ。

八木社長は、STROKEの企画、デザイン、設計、試作、熱や耐久性の試験・評価、販売・営業など、すべて1人でこなした。もともと、大学、大学院で電子工学を専攻しながらデザインも独学で勉強し、大学院卒業後に入社した富士フイルムでは機械設計を担当した。キャリアを歩む中で、ものづくりをトータルで手掛けられる技術を一つ一つ身に付けていったのである。

「計画的に勉強したというよりも、ものづくりが好きで、足りない知識を学んでいった結果、できるようになったという感じです」

世の中の不満を「発見」

自社のオフィスでもLEDデスクライト「STROKE」を利用。流麗なデザインで存在感を主張せず、周囲の風景に溶け込むプロダクトとなっている

優れた企業は、提供するプロダクトだけでなく、存在のあり方そのもので社会に影響を与えていく。八木社長がものづくりを志したきっかけは、高校時代、iMacのカッコよさに惹かれ、いつか自分でも、アップルのような製品を作ってみたいと思ったことにある。

「ものづくりがしたかっただけで、起業したいとは思っていませんでした」

八木社長の高校、大学時代はネットベンチャーが台頭した時期である。そうした存在へのあこがれも「あまりなかった」という。

「自分でプログラムを書いたりもしましたが、ディスプレイの中で起こる出来事にどうしてもリアリティが持てなくて。当時は、ハードを手掛けるというと、時代と逆行することのように思われました」

現在、デジタル化の進展によって、ものづくりに必要なシステムの低価格化が進み、個人で起業するハードルも下がってきた。ものづくりの革命を描いた書籍『メイカーズ』が話題となるなど、八木社長は一転、時代の寵児となった。しかし、ブームを狙ってきたわけではない。

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