2013年8月号
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食ビジネスの進化

北海道 食農クラウドの可能性

八鍬幸信(札幌大学経営学部教授)

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北海道で展開された「地域クラウドサービス推進事業」は、IT活用による食農ビジネスの競争力強化策の可能性を明らかにした。今後、クラウドの浸透によって、競争優位の源泉は「情報の活用能力」に移る。

ITを活用することで、食料生産基地・北海道の可能性は大きく広がる

IT産業は、北海道において着実に発展を遂げてきた。北海道IT産業は、その売上高が統計を本格的にとり始めた1983年の273億円から、2011年度には3791億円というように、ほぼ4000億円産業へと着実に成長してきた(一般社団法人北海道IT推進協会『北海道ITレポート2012』)。

一方、「食農」産業も、改めて言及するまでもなく、北海道経済の中で極めて枢要な地位を占めている。

したがって、こうした背景の下、北海道においてそれぞれ枢要な地位を占める産業を戦略的に結び付けて北海道経済の振興を目指そうというのは、自然の流れである。「食農クラウド」はそのための梃子の一つと言える。

クラウドで攻めの戦略を実現

経済産業省北海道経済産業局は、11年度、IT産業振興の観点から、道内中小企業における、クラウド化による競争力強化策の可能性を探る目的で「北海道地域クラウドサービス推進事業」を展開した。本事業は、北海道ソフトウェア開発機構が受託元となり、「北海道地域クラウドビジネス協議会」を設置して実施された。

この事業の一環として、食関連産業と農林水産業での、クラウドサービスの利用実態や課題について調査が行われた。本事業に関わった委員の一人として、北海道の食農産業のクラウド化の現状を紹介する。

まず、クラウドサービスの認知度については、「現在利用中」、「今後2~3年以内利用予定」、「計画はないが、利用を検討」を合わせても、食関連産業33.5%、農林水産業23.6%と、いずれの産業においても低い。当然、認知度を高めるための普及啓発活動が必要である。そのためには、クラウドサービスを導入することによるメリットが理解されなければならない。

食関連産業、農林水産業ともに、クラウド化のメリットに関する選択肢を掲げたところ、「初期導入の費用負担が小さい」、「人材・ノウハウがなくても利用できる」を挙げる事業者の割合が高かった(下図参照)。「初期導入経費負担の軽減」、「IT投資の変動費化」あるいは「IT人材不足の解消」などが、クラウド・コンピューティングのメリットとしてしばしば指摘される。

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