「常識」への挑戦
日本中の落胆を誘ったロンドン五輪での失速からおよそ4ヵ月。プロランナー藤原新が復活をかけて始動した。マラソン界の異端児は、周囲の期待と重圧をよそに自分の信じた道を歩み続けていた。
「ドキドキ感を楽しんでいるんですよ」
五輪からの復帰第一戦として福岡国際マラソンに臨む藤原新に心境を尋ねたところ、この言葉が返ってきた。
8日で、レースは12月2日。本格的な準備期間は1ヵ月、異例の短期間である。しかも、これは単なる復帰戦ではない。プロランナーとして挑んだロンドン五輪では45位、日本人最下位に終わった。福岡でもう一度惨敗すれば、プロとしての評価が危うくなりかねない状況だ。ところが彼は、この大一番が楽しみだという。
強がりに聞こえるかもしれない。
しかし、藤原が歩んできた道を振り返れば、この回答はいかにも彼らしいものとわかる。これまで藤原は常に「ドキドキ」を求めて決断を重ねてきた。しかし、それは大きな挑戦を前にした武者震いや、自分の限界を知りたいという探究心に近い感情であり、世間の常識やセオリーといった、こうあるべきという無言の圧力に対する反骨心でもある。
そんな藤原を形作ったのが高校時代だ。
大胆な決意で克服した高校時代のスランプ
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