PlayStationVita 過去の成功体験に縛られた高性能ハード

新機能がほぼ意味を成さず

第3に、エコシステム環境の変化だ。これまでハード企業は、一般のユーザーには開発環境を公開せずゲーム会社と協力してビジネスを成り立たせた。ところが、アップルのiPhoneやグーグルのアンドロイド端末は開発を一般ユーザーにも自由に開発することを認めたことで、まったく新しいエコシステムが生まれ、大量のゲームが低価格で供給されるようになった。こうした反省から、SCEも一般にも開発環境を公開しようとしているが、速度感では追いつけていない。

第4に、既存の小売店への配慮がハードの折衷案を生んだ。09年のダウンロード販売のみのハードPSPGoは、小売店から大きな反発を受け、発売時にはハードとして死んでいた。そのため、Vitaではゲームは小売店で販売されるパッケージ版と、ダウンロード版の2種類が用意されることになった。デジタル流通の強みは価格弾力性やデータの随時変更といったところにあるが、大胆な戦略を採りにくい環境を自ら作ってしまった。

1 2

全文をご覧いただくには有料プランへのご登録が必要です。

  • 記事本文残り81%

月刊「事業構想」購読会員登録で
全てご覧いただくことができます。
今すぐ無料トライアルに登録しよう!

初月無料トライアル!

  • 雑誌「月刊事業構想」を送料無料でお届け
  • バックナンバー含む、オリジナル記事9,000本以上が読み放題
  • フォーラム・セミナーなどイベントに優先的にご招待

※無料体験後は自動的に有料購読に移行します。無料期間内に解約しても解約金は発生しません。