テック系ベンチャーを起業し 活躍する女性を増やす方策とは

個人向け遺伝子解析サービスを提供する大学発ベンチャーとして、2013年に設立されたジーンクエスト。その代表取締役の高橋祥子氏が、女性の起業をめぐる課題や、今後の日本社会で女性起業家を増やすために必要なことを語った。

日本で初めてインターネットを活用した個人向け大規模遺伝子解析サービスを始めたジーンクエストは、2013年に設立された。同社のサービスでは、日本人の疾患や体質との相関について科学的根拠がある約70万カ所の遺伝子を解析対象としている。その上で、個人の健康リスクや体質の遺伝的傾向、祖先のルーツについて300項目以上の遺伝情報を提供する。

ジーンクエストの遺伝子解析 サービス。体質や健康リスク、祖先のルーツなどを調べられる

博士課程で企業を立ち上げ
出産で感じる社会の男女格差

代表取締役の高橋祥子氏は、東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程在籍中に、大学発ベンチャーとしてジーンクエストを起業した。

高橋 祥子 ジーンクエスト 代表取締役 兼 ユーグレナ 執行役員

「学部時代、京都にいた頃は、起業を考えたことなどありませんでした。しかし、東京で大学院に進学し、同じ研究室の先輩が起業していたことで、そういう選択肢があると気づきました。元々、起業したかったという訳ではなく、やりたいことがあって、そのための手段として起業を選んだのです」。

高橋氏は起業に至った経緯について、こう語る。テックベンチャーの女性起業家は国内では少ないが、起業やその後の仕事において、女性であることを不利だと感じたことはなかったという。しかし、昨年、妊娠や出産を経験した後は、体力的な厳しさや出産した女性を取り巻く社会の圧力を実感することになった。

「出産は難産だったため、約1年が経った現在も、体力的に万全な状態で仕事に取り組めていない状況です。また、日本の社会ではまだ、『育児や家事は女性がするもの』という圧力が大きいと初めて感じました」。

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