経営幹部のダイバーシティ拡大へ 投資先企業で女性幹部を登用

PEファンドとして様々なスタートアップに投資しているミダスキャピタルは、2021年3月、主な投資先企業で2024年までに、経営幹部に女性を1名以上登用する方針を決めた。経営幹部の多様性を高めることで、投資先企業のさらなる成長を目指す。

プライベートエクイティ(PE)ファンドのミダスキャピタルは2021年3月、「主な投資先企業すべてで2024年までに、経営幹部に女性を1人以上登用していく」方針を決定した。その背景にある狙いや理念を、ミダスキャピタル代表パートナーの吉村英毅氏が語った。

「日本発の世界に冠たる企業群」に
女性幹部は不可欠と判断

2017年に設立されたミダスキャピタルは、通常のPEファンドとは異なるいくつかの特徴を持つ。第1に、 外部資本は集めず、原則的にフルコミットで参加するミダスキャピタルのメンバーだけが投資家となる。第2に、その結果として実質的なファンドの期限が到来せず、中長期のリターン最大化を追求できる。

「通常のPEファンドでは会社を買収した場合、ファンドの期限までに転売して株式を現金化し、投資家に資金を返す必要があります。しかし、ミダスキャピタルでは資金を出すのが内部のメンバーなので、実質的なファンドの期限は到来しません。このため、短期的な目線で転売を繰り返すのでなく、中長期の投資経営ができます」。

吉村 英毅 ミダスキャピタル 代表パートナー

吉村氏は自社の特徴について、こう説明する。ミダスキャピタルのメンバーは、起業経験者や実業家が多い。吉村氏自身、学生時代にオンライン旅行会社のエボラブルアジア(現・エアトリ)を共同設立した起業家で、その後にミダスキャピタルを立ち上げた。

第3の特徴は、「日本発の世界に冠たる企業群を創りあげたい」というビジョンだ。「私たちは上場後も、筆頭株主の地位を保ったまま企業群の価値拡大にまい進します」(吉村氏)。

現在、ミダスキャピタルが出資する主な企業は、リユース・訪問買取最大手のBuySell Technologies、アミューズメント施設向けの事業を展開するGENDA、マーケティング支援を行うイングリウッド、インターネットの広告代理店であるAViC、マーケティングファームのARETECO HOLDINGSなど。さらに近く、乳製品製造加工業のマリンフードなど2社も加わる予定となっている。

ミダスキャピタルが、主な投資先企業すべてで経営幹部に女性を1人以上登用するという方針を打ち出した理由を、吉村氏は2つ挙げる。第1に、日本企業で活躍する女性幹部が少ないことについて、吉村氏は従来から問題意識を持っていた。

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