信頼される企業だけが生き残る DX時代に蓄えるべき資源とは
デジタル化による社会構造や規範の変化を"文明の転換"と捉えて新たな文明における経済や経営のあり方を考える本連載。今回はサイバー文明における「富」のあり方を考察する。長らく私たちが求め、社会問題の種にもなってきた金銭は「信頼」にその地位を譲ろうとしている。
技術が変える富の姿
本シリーズ第2回(2020年11月号)で、デジタルで提供されるサービスに働く経済原理と、モノで供給される財やサービスの経済原理は大きく異なることを指摘し、デジタル化を単なる新しい技術の登場であることを超えて、近代工業文明からサイバー文明への転換点であることを主張した。そして「文明」が、中核となる富、技術、統治構造などで形成される社会構造や規範のパターンであると考えたときに、金銭の蓄積が富の蓄積と同義とならない新しい富が出現することを示唆した。
図1 新たな文明の登場?
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