企業情報×知財のデータベースで M&Aの情報戦を制する

M&Aにおける情報の価値は年々高まっており、企業データベースの新しい活用法としても注目されている。ビューロー・ヴァン・ダイクでは、経営判断に資する情報として、財務や調達・サプライチェーンなどに加え、知財などの無形資産を加えることで、M&A後の発展につながる経営判断を支援している。

増田 歩(ビューロー・ヴァン・ダイクシニアセールス[セクターリーダー] アカデミック・リサーチセクター)

EUブリュッセルで創業したビューロー・ヴァン・ダイク・エレクトリック・パブリッシング(BvD)は、世界各国の企業情報を網羅したデータベース「Orbis」を提供している。前身企業を含め1980年代からブリュッセルを拠点に活動しており、そのデータベースは日本銀行や金融庁でも使用されてきた。2017年には、米国の格付け会社ムーディーズのグループ会社となっている。

Orbisの画面。各国で発表、あるいは報道されたM&Aの情報を収録し、企業の財務情報へリンクしている

各国で株式を公開している上場企業だけでなく、非上場企業の情報も網羅しており、世界212の国・地域の4億件の企業情報を検索できる点が特徴だ。「Orbis」の使い道は様々だが、例えば日本企業が海外に進出する際に、現地パートナー、あるいはM&Aを通じて現地子会社となりうる候補企業を探すために用いられてきた。

知財と企業情報を掛け合わせ
M&Aに有効活用する

Orbisは、年ごとにデータベースの内容を充実させ、企業の親子関係やM&A、財務情報といったデータも収集していた。これらに加え2018年に開始したのが、知的財産の情報を含めた「Orbis IP」の提供だ。これにより、特許情報と企業情報を組み合わせて分析することも可能になった。その起源は、経済協力開発機構(OECD)が統計分析・調査に使うために、世界中の企業をカバーしている「Orbis」と特許情報を結合したものだ。特定の技術について特許数の多い企業や、国ごとの出願動向の違いなどの分析ができる。

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