アワード受賞企業・大川印刷に学ぶ SDGs経営実践の秘訣

CO2ゼロ印刷を手がける環境経営のリーディングカンパニーである大川印刷。2018年に第2回ジャパンSDGsアワード〈SDGsパートナシップ賞(特別賞)〉を受賞するなど、その事業は高い評価を受ける。同社代表取締役社長の大川哲郎氏による講義の模様を紹介する。

大川 哲郎 大川印刷 代表取締役社長

誰のため、何のために
取り組むか

横浜市に拠点を置く大川印刷は、創業140周年を迎える老舗中小企業。2000年代初頭に環境経営にシフト、印刷という本業を通じた社会課題解決を軸に据え、〈ソーシャルプリンティングカンパニー ®(社会的印刷会社)〉をパーパスに掲げている。

一昨年の本社工場再エネ100%達成、ゼロエミッションプロジェクトでは96%のリサイクル率まで到達するなど、今も進化を続けている。また以前からSDGsや環境経営に取り組む企業・自治体との取引が多かったが、最近では古紙回収業者とともに、企業が排出した紙をオリジナル封筒等へアップサイクルする事業も展開するなど協業も拡大中だ。

同社のもとには、"企業としてSDGsにどう取り組むか"について相談が寄せられる。これについて大川氏は、「どう取り組むかではなく、個人の課題意識を起点に、誰のため、何のために取り組むかを考えるべき」と指摘する。

こうした考えを背景に「より良い社会を具現化する方法」として採用するのが、ワークショップと社内プロジェクトだ。まず、従業員のみが参加するワークショップで、現在の業務について、①うまくいっていること、②うまくいってないこと、③やってみたいこと、④その障害となっていることをテーマに話し合い、課題と解決方法をSDGsの各ゴールにグルーピングする。

社内でのワークショップの様子。従業員らが課題意識を持ち寄って全社で共有し、会社として目指す目標を設定する。こうした従業員からのボトムアップでSDGs経営を実践している

ポイントは③で、既存の事業をSDGsのゴールに紐づけるのではなく、各自の課題意識を全体共有したうえで"未来に点を打つ"、つまり会社として目指す目標を設定することが可能となる。

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