ワークマン・快進撃の立役者が語る「しない」経営

――「データ活用ゼロ」だったワークマンに「エクセル経営」を導入されました。

小売はトップダウンの世界ですが、変化は現場の人が一番知っています。コロナの巣ごもり消費なども、オフィスにいる幹部は気づきません。現場の「最近女性が増えている」「店にバイクばかり停まっている」という変化から徹底的にデータを蓄積した結果が〈ワークマンプラス〉や〈ワークマン女子〉です。

我々は分散型でデータを集め、イノベーションにつなげています。データの示すほうへ向かう、"声のするほうに進化する"ということです。一般客向けの〈ワークマンプラス〉は、出店の3年ほど前から一般客に受けていることがわかっていました。データを集めに集め、後出しで出店したのです。データを踏まえてやっているだけで、冒険はしません。冒険、頑張る、チャレンジなどはしない。ニッチでもいいから100年間競争優位を築ける分野しか「しない」経営です。作業服ではすでに40年間、圧倒的なナンバーワンを続けてきました。100年トップでいるためには「いい場所を選ぶ」ことが重要です。

――ポジションを築ける組織づくりのポイントは何でしょうか。

言行の一致です。例えば残業を減らすと言ったときに、社員が努力して減らすのではなく、何かを捨てて何かを取るという判断をする。当社では経理の残業を減らすために決算発表を1週間遅らせ、会社の本気度を見せるために100万円のベースアップを実行しました。会社が本気だとわかれば社員はついてきてくれます。そして一貫した目標。当社は「客層拡大」、これだけです。一貫性と、本気度。負けることはしない、というのが戦略です。

――次の構想は「靴」と「雨具」だと いうことですね。

実現はまだ先ですが、低価格2プライスの靴の業態です。現状、ハイキングやトレッキングシューズは4~5千円以上で、その下は空白です。我々は安全靴風の一般シューズ・トレッキングシューズを作るつもりです。また、撥水機能を備えた靴もありません。これを980円と1900円で作れば、大きなニーズがあると思います。アウトドアウェアは安くても1万円くらいしますが、ワークマンでは1万円で持ちきれないくらい買えます。今までにない市場とはこういう世界です。製品を真似てくる企業もありますが、我々の強みは製品ではありません。組織とポジショニングなのです。

 

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