2020年11月号
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脱一極集中が広げるマーケット

社会的投資で地域を支える 域内循環を促進する「金融の新手法」

野池 雅人(プラスソーシャルインベストメント 代表取締役社長)

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共感をベースに資金を募り、社会課題に挑戦する人を支援する「社会的投資」が注目を集めている。それは、地域内の資金循環を促進し、住民が自分ごととして地域に関わるきっかけをつくり出す。各地で社会的投資の仕組みづくりを行うプラスソーシャルインベストメント、野池雅人社長に話を聞いた。

古くて新しい
地域における互助の仕組み

――近年、社会課題の解決に取り組む企業・団体を資金面で支援する「社会的投資」への注目が高まっています。

野池 プラスソーシャルインベストメントは社会的投資の仕組みづくりを行っており、特に地域に密着したプロジェクトへの支援に力を入れています。社会的投資の手法の1つであるソーシャルインパクトボンド(SIB)のほか、元金に年利数パーセントを上乗せした投資型のクラウドファンディングなどを活用して住民や地元企業から出資を募り、社会的事業を支援して持続可能な地域づくりに貢献します。

野池 雅人(プラスソーシャルインベストメント 代表取締役社長)

地域の課題は多様化しており、そのすべてに行政が対応するのは無理があります。また、行政の補助金は大切なものですが、補助金に依存すると柔軟に動きづらくなるという難しさがあります。

地域の金融機関にも課題があって、NPOやソーシャルビジネスに融資するノウハウに乏しく、実績重視であるために社会課題解決に挑戦する新しい事業にはなかなか融資しません。

こうした課題を乗り越えるには、住民や地元企業などの民間が資金の提供者になる必要があります。プラスソーシャルインベストメントは、NPOやソーシャルビジネスに携わる人の想いや事業計画を住民に伝えて、共感をベースに資金を提供してもらう仕組みをつくり出します。

社会的投資は、欧州ではすでに1つの潮流になっていますが、日本の地域のことを考えると直接に参考になるわけではありません。例えば、イギリスの刑務所は、再犯率減少を目的にSIBを実施しましたが、それは数億円を調達するプロジェクトであり、地域における社会的事業とは規模感が異なります。

地域における社会的投資は、日本で古くから伝わる互助の仕組みである「頼母子講(たのもしこう)」のイメージに近い。住民が自分たちの地域のために、お金を出し合って頑張っている人に融通し、みんなで応援する仕組みであると言えます。

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