中小機構の事業引継ぎ支援センター 承継成立は年間1100件超

経営者の高齢化により事業継続が危うい企業の、第三者承継をマッチングにより支援。案件のデータベース化、匿名での公開に加え、事業を譲受したい創業を希望する個人を紹介する事業も開始した。コロナ禍で先行き不透明な中でも、後継ぎ不在を理由にした廃業を減らすことを目指す。

例年秋に開催する「事業承継フォーラム」では、中小企業経営者や地域金融機関の担当者などを集め、先輩経営者などが事業承継について講演を行っている

事業規模が小さくても、地域で愛される商品を作っていたり、生活のインフラを支えていたり、地場産業のサプライチェーンの一翼を担っている企業は多い。このような企業が後継者を見つけられず廃業すると、地域へのダメージは少なくない。独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)では、中小事業者の第三者による承継を支援する「事業引継ぎ支援センター」の全国本部として、中小規模企業の事業承継を支援している。

小規模事業者のM&Aを仲介

「中小企業経営者の高齢化は年々進んでいます。平均引退年齢は70歳ですので、今後10年以内に多くの経営者が引退年齢となります」と、中小機構事業承継・再生支援部審議役の木口慎一氏は話す。この問題が指摘され始めて約10年が経過し、その間にも高齢化は着々と進行していった。2025年には245万人の経営者が70歳以上になる見込みだが、うち半分の127万人で後継者が決まっていない。これらの企業が廃業となれば、多くの売上・雇用が失われる可能性がある。

また、経営者が高齢になると、企業の成長も鈍るという調査結果がある。中小企業庁が委託し、日本アプライドリサーチ研究所が実施した調査によると、30歳~40歳の経営者が最も直近3年間の売上高を伸ばしていた。事業の拡大や経営革新には、体力や気力といった要素も必要なのだ。

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