2020年7月号
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MPDの本棚

相手へのリスペクトで経営資源を引き出せ 『ほめ本』ほか注目の新刊

前田 安正(未來交創 代表取締役・ビジョンクリエイター)

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――本書のメッセージは何ですか。

2017年に『マジ、文章書けないんだけど』を上梓し、社会人になる前の学生を対象に文章を書く意味を伝えました。10冊目の今著は、社会人になって戸惑うことの多い多様な年齢層・背景の人々とのコミュニケーションについて考えました。注目したのが「ほめる」力です。

「ほめる」は、親が子どもを、上司が部下を、という上下関係の文脈で語られがちです。社会に出ると、豊富な経験を持つ方々との接触が増えてきます。そのなかで活躍するには、目下の自分が目上の人を上手に「ほめる」ことが、自らの有力な資源を引き出すポイントとなります。目上の人の人生をリスペクトし受け入れたうえで自分の考えを打ち出す。つまり相手の立場に立ちつつ、有効なコミュニケーションを通して自分の目指す方向に巻き込む。相手の共感が得られれば、主張も通しやすくなり、組織の生産性も向上するのではないでしょうか。

――執筆のスタイルとして、何に工夫や留意をされましたか。

事業構想大学院大学で同期の浅川浩樹さんにデザインをお願いし、出版社で働く新入社員の編集実務を通じた成長物語として構成しました。冒頭のEメールに関するくだりや、駅ホームに設置された黄色い点字ブロックと危険防止を促す駅員のアナウンスなど、盛り込んだエピソードは、私の実体験を基にしています。

――コミュニケーションと事業構想の接点・関わりをお聞かせください。

社会人経験を積むと、若者が新しい感覚でアイデアを提案してきても、古い感覚で却下してしまいがちです。異なる世代が意見を交換しながらやっていくことで、アイデアは一つの太い幹に育ちます。

同じ組織に長くいると同質的な価値観でやり取りが続くので、お互いが過去の実績に囚われやすいものです。私自身、本学で2年間学び、異なる価値観をもとに意見を交わすなかで、新しいアイデアがダイナミックに生まれる状況を体感しました。

――本書を起点に、ご自身の活動をどう拡げていきたいとお考えですか。

新聞社で校閲の仕事を通し、言葉から文章術へと活動の幅が拡がりました。ビジネスユースのコミュニケーション力向上に貢献したいと、文章コンサルティングの事業を立ち上げました。業界活性を提案していきたいと思っています。

 

前田 安正(まえだ・やすまさ)
未來交創 代表取締役・ビジョンクリエイター 朝日新聞メディアプロダクション 校閲事業部長

 

ほめ本

――こころ通わすコミュニケーション

  1. 前田 安正(著)
  2. 2020年4月刊
  3. 本体1,400円
  4. ぱる出版

 

今月の注目の3冊

――ケースメソッドMBA実況中継 02

リーダーシップ

  1. 高木 晴夫 著
  2. ディスカヴァー・トゥエンティワン
  3. 本体2,500円(+税)

 

世界MBAランキングで国内1位になった人気講義録を書籍化。組織変革、リーダーシップ論の基本をカバーし、実際のディスカッション授業の一部を、実況中継の形で紙上に再現。東洋工業、アサヒビール、JR西日本などのケースをもとに、受講生とともに組織変革とリーダーシップの現実と本質に迫り「自分ならどうするか?」と徹底的に考える訓練を展開していく。

 

【日経プレミアシリーズ】

災害に強い住宅選び

  1. 長嶋 修・さくら事務所 著
  2. 日経BP社
  3. 本体900円+税

 

想定外の自然災害が毎年のように襲来する時代に、私たちは住まいとどう向き合うべきなのか。ハザードマップの探し方・読み方に始まり、土地のリスクの見分け方、一戸建てやマンションを購入する際の注意点、減災のための事前対策、万一被害に遭ってしまった時の対処法まで、不動産のプロたちが徹底指南。気候変動リスクが高まる中で大型自然災害の時代に贈る、住まいの選び方の必携書。

 

「課題発見」の究極ツール

哲学シンキング

――「1つの問い」が「100の成果」に直結する

  1. 吉田 幸司 著
  2. 本体1,500円+税

 

大学院博士課程で哲学を専攻しホワイトヘッドの哲学を研究する著者が開発した「哲学シンキング®」。その思考法は、課題発見から問題解決に到るプロセスにおいて、さまざまなトップ企業の、多岐にわたる業種形態で大きな成果を上げている。哲学的思考法を応用した、「哲学シンキング」について、同社での活用事例を紹介しながら解説。楠木建氏絶賛!

 

名著

新・地政学――「第三次世界大戦」を読み解く

2010年代はヨーロッパ・北米・中近東など各地で社会の分断が激化し、移民の排斥や、民族紛争、テロが頻発した。その淵源を中央アジア・中近東地域に見て、外務省でロシア担当として勤務したインテリジェンスの第一人者・佐藤優氏と、中東歴史研究の泰斗・山内昌之氏が対談形式で論じ合う。幅広い教養に裏打ちされた二人の対論からは、世界を俯瞰する「地政学」の視点が得られる。

パンデミックと共に到来した2020年代は、先の10年がもたらした社会の変化を露わにしたとも言える。特にその負の側面を課題として認識しながら、新たな事業のチャンスにつなげていくことが事業構想家には求められよう。グローバルに限らずローカルな地域活性化を志す人材にも、課題認識の手法として示唆に富む。

 

『新・地政学

――「第三次世界大戦」を読み解く』

  1. 【著 者】山内 昌之・佐藤 優(著)
  2. 【価 格】本体800円(+税)
  3. 【出版社】中央公論新社

 

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