相手へのリスペクトで経営資源を引き出せ 『ほめ本』ほか注目の新刊

――本書のメッセージは何ですか。

2017年に『マジ、文章書けないんだけど』を上梓し、社会人になる前の学生を対象に文章を書く意味を伝えました。10冊目の今著は、社会人になって戸惑うことの多い多様な年齢層・背景の人々とのコミュニケーションについて考えました。注目したのが「ほめる」力です。

「ほめる」は、親が子どもを、上司が部下を、という上下関係の文脈で語られがちです。社会に出ると、豊富な経験を持つ方々との接触が増えてきます。そのなかで活躍するには、目下の自分が目上の人を上手に「ほめる」ことが、自らの有力な資源を引き出すポイントとなります。目上の人の人生をリスペクトし受け入れたうえで自分の考えを打ち出す。つまり相手の立場に立ちつつ、有効なコミュニケーションを通して自分の目指す方向に巻き込む。相手の共感が得られれば、主張も通しやすくなり、組織の生産性も向上するのではないでしょうか。

――執筆のスタイルとして、何に工夫や留意をされましたか。

事業構想大学院大学で同期の浅川浩樹さんにデザインをお願いし、出版社で働く新入社員の編集実務を通じた成長物語として構成しました。冒頭のEメールに関するくだりや、駅ホームに設置された黄色い点字ブロックと危険防止を促す駅員のアナウンスなど、盛り込んだエピソードは、私の実体験を基にしています。

――コミュニケーションと事業構想の接点・関わりをお聞かせください。

社会人経験を積むと、若者が新しい感覚でアイデアを提案してきても、古い感覚で却下してしまいがちです。異なる世代が意見を交換しながらやっていくことで、アイデアは一つの太い幹に育ちます。

同じ組織に長くいると同質的な価値観でやり取りが続くので、お互いが過去の実績に囚われやすいものです。私自身、本学で2年間学び、異なる価値観をもとに意見を交わすなかで、新しいアイデアがダイナミックに生まれる状況を体感しました。

――本書を起点に、ご自身の活動をどう拡げていきたいとお考えですか。

新聞社で校閲の仕事を通し、言葉から文章術へと活動の幅が拡がりました。ビジネスユースのコミュニケーション力向上に貢献したいと、文章コンサルティングの事業を立ち上げました。業界活性を提案していきたいと思っています。

 

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