2019年12月号
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「事業をつくる人」を育てる

若者を即戦力の経営人材に 新事業が多発する会社の人づくり

西條 晋一(XTech 代表取締役CEO)

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多発的・非連続的にスタートアップを創出し、2018年1月の設立から2年弱で12社からなるグループに成長しているXTech(クロステック)。代表取締役CEOの西條晋一氏に、起業家人材の育成や新規事業を創出する仕組みづくりについて、話を聞いた。

西條 晋一(XTech 代表取締役CEO)

「起業のリアリティ」を
感じられる人が増えている

――起業をめぐる日本の現状について、 どのように見ていますか。

西條 私はベンチャーキャピタル(VC)を通じて投資活動をしていますが、ここ数年、明らかに起業家の数が増えているのを実感します。本来なら、投資時に他のVCとの取り合いになってもおかしくない案件でも、意外とバッティングしない。それだけ起業家のすそ野が広がっていて、特に学生や若者の起業が増えています。一方で、あまり増えていないのが30代半ば~40代のミドル層の起業家です。

起業家が増えている背景には、資金調達環境の変化もあると思います。かつてはVCが強気で、スタートアップに不利な条件の投資契約も多く、起業家の給与についても黒字化するまでは20万円、30万円というのも多く目にしました。でも今は、前職で年収1000万円だった人が、起業してから同程度の給与を得ても、投資家からうるさく言われないようなケースもあります。給与水準を極端に落とすことなく、起業できる環境が整っています。

また、スタートアップの増加は、経営者を間近で見ている人の数も増えていることを意味します。若者だけで会社が回っているのを経験したり、資金調達に成功するのを見たりして、起業を具体的なアクションに落とし込んで捉えやすくなっている。「起業のリアリティ」を感じられる機会が増加していて、その相乗効果によって起業が加速しています。

ミドル層の起業家が増えていないのは、大企業にいると「起業のリアリティ」を感じる機会に乏しいからだと思います。かつての私がそうでした。大手商社で働きながら将来起業することを考えていましたが、リアリティがなかった。起業の本を読んでも自分に置き換えた時のリアリティがなく、あまり再現性が感じられない。

私の場合、大手商社を辞めて黎明期のサイバーエージェントに入社したことで、起業家に限りなく近い経験を積むことができました。

経営を担うことで人は成長する

――起業を学ぶには、実際に経験するのが一番早い?

西條 スポーツでは頭で考えていることと身体の動きを一致させることが重要になりますが、経営も一緒で、起業を座学で学ぼうとしても無理です。いろいろな経営のセオリーや方法論を知っていても、それを的確に判断して使えるようになるには場数を踏むしかありません。

経営者を近くで見ることも意味はありますが、一番良いのは自ら社長をやることです。COOでもCTOでもなく、社長であることが重要。社長はすべてを背負って決断しなければならず、責任の重さが違う。自分が動かないと最終的には何も決まらない。どんな小さな会社であっても社長であることによって外からの見方は変わり、社長だけが集まる場もたくさんあります。

私は、社長の経験は早く積めば積むほどいいと考えています。サイバーエージェント時代の経験で大きかったのは、若手でも任せると意外とできる、若手が成果を出すのを目の当たりにしたこと。それは、私の思考の枠組みが更新されるような経験でした。

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