日本のアイビーファッションの発信地 おしゃれな青山の50年
クリエイティブなまちとして認知されている青山の源流をたどっていくとVAN創業者・石津謙介氏にいきつく。青山の本質と未来とは何か。同氏の長男で長年ファッションディレクターとして活躍されてきた石津祥介氏に伺った。
前回の東京オリンピックが開催された頃、青山は高度成長を背景に大きく変貌した。青山通り(国道246号線)が拡幅され、戦後のファッション文化の礎を築き、青山のイメージをかたちづくる役割を果たしたVANが青山に本社を構え、ファッション業界をはじめ様々な分野の最先端のクリエイターが集積するまちになった。50年間以上にわたって青山を見続けてきた石津祥介氏は今の青山をどうみているのであろうか。
女性が中心のまちその本質は普遍
「青山は過去50年でいろいろな変化がありました。再開発で高層ビルに建て替わるところも増え、街の風景はずいぶん変わりました。また、地価の高騰とも関係していますが、通常のモノの売買を行う商業地としてはなかなか成立しにくくなっています。
その結果、ここで商売をするためというよりは、青山のブランドイメージを得るために青山に立地しているということになっているように思います。それは、商取引に占めるネットのウエイトが高まっていることも少なからず影響があると思います。一方で、おしゃれなまちというイメージは固定化されています。特に女性にむけた情報発信が多くなっていますので、青山は女性が中心のまち、ということも言えるかと思います。しかし本質的な部分では変わっていないともいえます」と石津氏。
「VANが青山に本社があったころも実はVANの店舗は2、3軒しかありませんでした。消費者にとってブランドの本社がどこに立地しているかということはほとんど意識されることはありません。
しかし、コシノジュンコさんが、青山にブティックを構えたのは、『石津謙介さんが青山にいて線を引いてくれたから』と言っています。おしゃれなにおいがするのを感じ取って、その時代の最先端のクリエイターが集まってきたのではないでしょうか」
「ええかっこしい」青山は
大人のおしゃれなまち
「以前、NHKで石津謙介をとりあげた特集番組がありましたが、街頭インタビューで、青山は大人のおしゃれなまち、というイメージで語られていました。では、大人のおしゃれなまちというのは何でしょうか。それは一言でいうと、『ええかっこしい』なのですね。
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