港区立青南小学校 クリエイティブな環境が育む未来の人材

東京の「三大名門区立小学校」のひとつにも数えられる南青山の青南(せいなん)小学校。青南小学校出身者で各方面の第一線で活躍する方も多い。関幸治校長に「クリエイティブなまち」に所在する小学校の特徴についてお話を伺った。

関 幸治(東京都 港区立青南小学校長)

青南小学校は人口増で児童数が増えた青山小学校から分離して1906(明治39)年に開校した小学校。根津美術館や岡本太郎記念館にも近く、フロム・ファーストビルやファッションブランドが立ち並ぶ御幸通りに校庭が面している。正門は1本細い路地に面した側にあり、昔から「青南通り」と呼ばれている。

第23代校長を務める関幸治氏は、かつて青南小学校での教員として教鞭をとった経験をもつ。

「青南小学校は今年で開校112年を迎えました。本校の特徴を表す言葉として、『気品と風格にあふれた国際人、いつでも、どこでも、青南の子』というのがあります。子どもたちに聞いてもこのフレーズはすぐに出てきます。いつでも、どこでも、青南の子というのは、青南小学校に学んでいることを誇りに思ってもらいたいという願いが込められています」

青山の中心地に位置する青南小学校

オノ・ヨーコや松本隆も卒業生

「本校の卒業生や在学していた児童には、各界で活躍する人材が数多く輩出されています。一番身近な人のひとりとして、俳人の中村草田男(1901-1983。1911年に松山市から転校して来て1年間在籍)がいます。中村草田男は有名な句として『降る雪や明治は遠くになりにけり』があります。正門を入ったところに句碑も建てられています。この有名な句は本校を訪ねてきた際にできた句といわれています。彼にちなんで毎年「草田男展」を開催しています。1年生から6年生までの全校児童が俳句を作り、優秀な作品には「草田男賞」が贈られます」

校地内に立つ中村草田男の句碑 「降る雪や明治は遠くになりにけり」

芸術家の岡本太郎も1917年に1年間在籍している。また東武鉄道社長や根津美術館館長を務めた二代目根津嘉一郎、医師で作家の斉藤茂太、弟で作家の北杜夫、作家の安岡正太郎、茶道家の小堀宗慶、俳優の仲代達也、音楽家のオノ・ヨーコ、作詞家の松本隆も卒業生であり、文化人、芸術家、企業家などを多く輩出している。

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