CESに見る「クルマの未来」 次の注目ビジネスは?

世界最大規模のエレクトロニクス技術の見本市「CES」。近年は自動車関連の参加も増えている。今年1月に開催された「CES2019」では、各社がこぞってMaaS関連の展示を行い、「新しく便利な移動サービス」への具体像を示した。さらには、自動運転技術の「熟成」も進んでいる。

2019年1月6日~11日、アメリカのラスベガスで開催された「CES2019」。150か国以上から4500社以上が参 加した

アメリカ最大の
エレクトロニクスの見本市

2019年1月6日から11日にかけて、アメリカのラスベガスにおいて「CES2019」が開催された。CESは、50年以上続いている、アメリカ最大のエレクトロニクス技術の見本市だ。世界150か国以上から4500社以上が参加し、5日間の期間中に世界中からメディアや関係者が6万人以上訪れる。

ラスベガスといえばアメリカ屈指の観光地であり、リラックスした格好の観光客であふれかえる街ではあるが、CESの開催期間中だけは、普段と街の雰囲気が異なる。CESはBtoBのイベントであり、さらに開催会場はコンベンションセンターだけに留まらず、街のあちこちのホテルも利用される。日本でいえばまだ松もあけていない新年早々のラスベガスには、大勢のスーツ姿のビジネスマンが闊歩しており、普段と違うCES期間ならではの雰囲気となるのだ。

今年の自動車技術のトレンドはMaaS

CESは、かつては「家電ショー」と呼ばれたように、オーディオや冷蔵庫などの家電が主流であった。しかし、現在は技術の進化により、5Gといった通信技術やAI、8K、ロボットなどの最先端技術が主役に躍り出た。

また昨今は、自動車関連のエレクトロニクス技術の進化にあわせて、自動車メーカーやサプライヤーの参加も増えており、自動車業界内での注目度も高まっている。その影響を受けたのは、同時期に開催されていたデトロイト・モーターショーだ。なんと、重要度の高まるCESに配慮するかのように、来年度からデトロイト・モーターショーの開催時期が6月に変更されることになってしまったのだ。

そんな「CES2019」の自動車技術のトレンドは「MaaS」であった。

昨年は、自動運転技術がフィーチャーされ、数多くの自動運転のデモが披露された。それに対して、今年はさらに一歩踏み込んだ、自動運転の先となるMaaSが話題の中心となったのだ。

「MaaS」は「Mobility-as-a-Service」の略称だ。意味は「移動をサービスとする」。つまり、クルマという移動体を販売するのではなく、移動全体をサービスと考える。クルマは売るのではなく、シェアで利用する。クルマだけでなく、電車やバス、パーソナルモビリティ(自転車など)を組み合わせる。そうした、移動をトータルで考えるという新しい概念である。自動運転技術やコネクテッド技術、電動化技術、AI技術などを組み合わせることで、これまでにない新しくて便利な移動サービスが可能になる。それが「MaaS」だ。

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