配車サービス対決!ウーバーテクノロジーズ vs. DeNA
一般ドライバーを活用した配車サービスに始まって、モビリティを超えた新しい価値を提案するウーバー。ネットオークション事業に始まって、ネットのさまざまな可能性を追求し続けるディー・エヌ・エー(DeNA)。両社は今、どのような未来を思い描くのか。
モビリティの新しい未来を描く2社
2009年に創業、タクシー配車サービスと、一般ドライバーによるライドシェアという革新的な発想で、またたくまにシェアリングエコノミー時代の雄となった、米国ウーバーテクノロジーズ。配車サービスのノウハウを活かした料理宅配サービスUberEatsなども好調で、2018年4〜6月期決算では、サービス前取扱高が前年同期比41%増の約1兆3,000億円に達したとも伝えられる。赤字は続くものの、2019年後半にはIPOを目指しているという。現在、NASAとも提携し、電動垂直離着陸機による「空飛ぶタクシー」実現に向けて 空へのノウハウ拡大を進めている。
一方で、2012年に創業したUber Japanは苦戦する。米国のタクシー事情に比べて日本のタクシーはサービスの質が高く、ウーバーを利用する必然性に乏しいことや、規制緩和が進まないことが大きな壁になっているからだ。日本では、当面、ライドシェアよりはタクシー配車事業に注力するという。
日本では、全国のタクシー会社と連携する日本交通の配車アプリ「Japan Taxi」が500万ダウンロードを記録するなど、Uber Japanを尻目に、タクシー業界による独自の進化も始まっている。
ディー・エヌ・エーによる配車サービス「mov」も、そうした進化の一端を担う。アプリ上の地図でピンを立てた場所にタクシーを呼ぶことができ、一番近くにいるタクシーを迅速に呼べるサービスで、横浜、川崎エリアで開始していた「タクベル」を全国展開するにあたって、2018年11月に「mov」に名称変更した。「日清のどん兵衛」とのタイアップにより、都内で実施した「0円タクシー」は好評で、車内も車体ラッピングも含めて車両全体を広告化することで料金を0円とするこの手法は、今後、他のブランドとのタイアップで定着する可能性もありそうだ。ディー・エヌ・エーは今、個人間のカーシェアリングという新事業も手がける他、日産と組んで無人運転による新しい交通サービスを目指し、2020年のサービス提供を目指す。
自動運転時代、この2社が、新しい発想とAIを駆使してどのようなモビリティ革新をもたらしてくれるのか、楽しみにしたい。
両社概要
ウーバーテクノロジーズ
創立 | 2009年 |
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本社 | カリフォルニア州サンフランシスコ市 |
代表 | ダラ・コスロシャヒ(最高経営責任者) |
Uber Japan 株式会社
創立 | 2012年 |
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本社 | 東京都渋谷区 |
代表 | トッド・ハンプレッド( 代表取締役) |
純利益 | 3,000万円(2017年12月31日現在) |
利益剰余金 | 7,600万円(2017年12月31日現在) |
事業内容 | 2014年、タクシー、ハイヤー配車サービス開始 2016年、出前サービス「UberEATS」開始 |
出典:ITmedia NEWS 2018/5/18
ディー・エヌ・エー(DeNA)
創立 | 1999年3月 |
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本社 | 東京都渋谷区 |
代表 | 守安 功(代表取締役社長兼 CEO) |
資本金 | 103億9,700万円(2018年3月現在) |
従業員数 | 2,475人(連結、2018年3月) |
主な事業と 主なグループ 会社 |
●ゲーム事業 株式会社DeNA Games Tokyo他 ●Eコマース事業 ㈱モバオク、㈱ペイジェント、㈱DeNAトラベル、 ㈱ペイジェント ●ヘルスケア事業 DeSC ヘルスケア㈱、㈱ライフサイエンス ●スポーツ事業 ㈱横浜DeNA ベイスターズ、㈱横浜スタジアム ●ネットサービスインキュベーション事業 SHOWROOM ㈱ ●オートモーティブ事業 ●エンターテインメント事業 他 |
出典:ディー・エヌ・エー ホームページ、有価証券報告書
財務ハイライト
ウーバーテクノロジーズ

出典:日本経済新聞 2018/8/16 など
ディー・エヌ・エー(DeNA)

出典:ディー・エヌ・エー ホームページ
サービス概要
ウーバーテクノロジーズ

出典:Uber ホームページ
ディー・エヌ・エー(DeNA)

出典:ディー・エヌ・エー ホームページ
導入企業例
ウーバーテクノロジーズ

出典:Uberホームページ、日経産業新聞 2017/10/30 など
ディー・エヌ・エー(DeNA)

出典:ディー・エヌ・エー 2019 年第1四半期決算説明会資料