2018年12月号
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クリエイティブのまち青山

青山に森を パイナップルケーキのサニーヒルズ南青山

堂園 有的(Sunny Hills Japan ゼネラルマネージャー)

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南青山の住宅街の一角に、木組みが一際目を引く建物がある。中に入ると2階に案内され、パイナップルケーキと台湾茶が振る舞われる。訪れる人は木に囲まれて落ち着いたひと時を過ごしている。

南青山の「森」をイメージ。隈研吾氏の設計 Photo by SunnyHills Japan

サニーヒルズは、台湾生まれのパイナップルケーキブランド。台湾の半導体商社AITの創業者、許銘仁(マイケル)氏が2009年に設立した。

許氏は、自分自身は企業家として成功したものの、周囲を見渡すと、パイナップル農家である友人や茶農家の弟が、不安定な生活を強いられている状況をみて、農家を支援できるような仕組みを作りたいと願っていた。そこで、台湾の厳選されたパイナップルを材料に、海外の人への贈答品としても喜ばれるような台湾を代表するような付加価値の高いお菓子をつくることを決意したのであった。

設立当初から海外に積極的に展開し、シンガポール、上海に次いで東京青山にも2013年12月にオープンした。

青山に「森」の心地よい空間を

東京は、レベルの高い菓子が集積するサニーヒルズにとっても戦略的に重要な都市。日本で世界に通用する、愛され続けるブランドに成長させ、一流の空間で一流のサービスを提供することを目指して、南青山に出店を決めた。自然素材の特徴を引き出し、ざん新な表現を生み出すのに長けている建築家の隈研吾氏に設計を依頼した。

木組みの隙間からの木漏れ日が心地よい Photo by SunnyHills Japan

こだわりのパイナップルケーキ Photo by SunnyHills Japan

日本のゼネラルマネージャーの堂園有的さんは語る。

「実は、私は元々建築家を目指して隈研吾建築都市設計事務所で働いていました。ちょうど許銘仁会長から設計を事務所に依頼されたとき、私も担当としてプロジェクトに携わっていました。その後、ご縁があってサニーヒルズの日本市場の責任者になりました」

堂園 有的(Sunny Hills Japan ゼネラルマネージャー)

「隈研吾先生は、『負ける建築』といって、自己主張をせずに、周囲の環境に溶け込むような建物を建てることをめざしています。サニーヒルズの建物は60ミリのヒノキの角材が組み合わさってできています。これは単なる外観上のデザインではなく、複雑に組み合わさることによって全体的に構造も支えています。雲に例えると水蒸気一つ一つは目に見えないですが、集まることで雲のように実体を持ったり、雨を降らしたりします、それと同じ原理です。周囲は住宅地ですが、年数がたてばたつほど、木の色合いが青山の地になじんできていると感じています。また、夏場でも窓を開けると風がよく通り、木が日よけにもなって心地よい空間となっています。『青山に森を作りたい』というコンセプトが、この空間に実現しています」

台湾流おもてなし「奉茶精神」

サニーヒルズ南青山店は、来店者全員にパイナップルケーキと台湾茶を振る舞われることでも知られる。

「これは、『奉茶精神』という台湾流のおもてなしからきています。パイナップルケーキ工場は、観光地でも有名な八卦山(はっけさん)近くの許銘仁会長の実家に隣接しています。工場を見学に訪れたお客様には、会長のお母さんが、わざわざ来られたので、とお茶とお茶菓子を出していたのですが、見学される方がどんどん増えていき、工場でできたてのパイナップルケーキをお出しするようになったのです。この状況を見て、台北のお店でもパイナップルケーキをお出しするようになり、南青山でも同じようにおもてなしをしています」

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