2018年10月号

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ヘルスデータサイエンティスト協会が始動 新しい職能を確立へ

月刊事業構想 編集部

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丹野清美 ヘルスデータサイエンティスト協会専務理事

活動開始から1年を迎えるへルスデータサイエンティスト協会。理事長は医療経済学者の高木安雄慶應義塾大学名誉教授、理事会には医師や統計学者などの専門家が名を連ねる。協会の目的は、保健、医療、介護など、ヘルスケア分野の課題を科学的思考で解決し、マネジメントできる専門職として、ヘルスデータサイエンティスト(HDS)を育成することだ。

ヘルスデータを扱う専門職を育成

厚生労働省が2017年7月に発表した「国民の健康確保のためのビッグデータ活用促進に関するデータヘルス改革推進計画」では、「全国保健医療情報ネットワーク」「保険医療データプラットフォーム」を2020年度から本格稼働させることを予定している。これらハード面の整備に伴い、健康や医療に関連する種々のデータを扱う専門職が必要とされるようになることを見越して、協会では資格認定や教育セミナーの準備などに着手した。協会が育てようとしているのは、ヘルスケア分野のデータサイエンティストとして、各種の臨床データや生体情報などを分析できる知識とスキルを併せ持った職業人だ。

最近のIoTの普及に伴い、ヘルスケアに関連したデータの幅は急速に広がっている。少し前まで、健康関連のデータといえば病院で生み出される臨床データや健診結果だった。しかし、個人でも簡単に、スマホアプリやスマートブレスレットなどから、心拍や血圧などのライフログデータを取得できる時代になっている。このようなデータは、政府が推進する疾患予防や、未病状態での生活改善などには欠かせない。経団連は、2018年3月に発表した提言「Society5.0時代のヘルスケア」で、個人のデータ化が進む中、各人が健康維持に主体的に関与することや、予防医療の重要性、新たなヘルスケアサービスの構築を訴えている。各種のヘルスデータを活用し、効率的に個人の健康をマネジメントできるシステムや、人材が求められているのだ。

ヘルスデータサイエンティスト協会では、現在、HDSの資格試験の準備を進めている。3レベルの試験を予定しており、初級・中級レベルの資格は、都合の良い日時、会場を選択して受験できるCBT方式試験とする。受験者としては、市町村や健康保険組合などの保険者のほか、保険会社や健康機器メーカーなど、ヘルスケア関連企業で様々なデータを取り扱う人と、大学生・大学院生を見込んでいる。同協会専務理事の丹野清美氏は「医療経営や医療統計などを学ぶ学生は、現在は医療の専門職として取得できる資格がありません。ぜひHDS取得を目指してほしい」と狙いを説明した。

また協会では、資格取得後の継続的な研修・学習機会も提供していく。2018年4月には、第1回ヘルスデータアナリティクス・マネジメント研究会を開催。今後も、関連の学会、研究会などで、講演やセミナーなどを行う。10月19日(金)には、第16回オデッセイユニバーシティにおける講演、同27日(土)には、第56回日本医療・病院管理学会学術集会において楽天生命保険共催、HDS協会協賛のランチョンセミナーが予定されている。並行して、ヘルスケア関連企業を協会の賛助会員として集め、企業とのコラボレーションを進めたいと希望している。

丹野氏は、2017年度から、統計数理研究所の公募型研究において、HDS育成システムを検討している。2018年度は、HDSの専門職として倫理綱領や、行動規範を定めるとともに、HDSの独自の系統的なカリキュラムを検討する予定だ。

4月に開催の第1回研究会には、200人近くの参加者が集まった

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