画像認識AIで「日本の強み」引き出す 顔認証の無人店舗も実現?

「顔パス」で自動決済できる無人店舗が誕生!? それを支えるのが、画像から読み取れる情報を高精度に認識し、データ化するAIの技術だ。画像認識AIで世界トップレベルの技術を持つテクムズは、様々な分野での活用を提案。モノづくりにおいても、日本の復権に貢献することを目指す。

鈴木 孝昌(テクムズ 代表取締役)

オフィスでAIが『お出迎え』

テクムズのオフィスを訪問すると、まずカメラが目に入る。このカメラで訪問者の顔を認識し、事前の登録があれば、表情を読み取って「今日も元気ですね」などと人工音声で声をかけてくれるという。なるほど画像認識AIの企業らしい『お出迎え』だ。

テクムズ代表の鈴木孝昌氏は、起業した経緯について、映像と行動分析に可能性を感じたと語る。

「10年ほど前から人の行動、動きの理由を知りたいと感じていました。かつては、充実したデータを取ろうとしたら膨大な数のセンサーが必要で、多額のコストが必要でした。しかし、今やカメラのコストが下がり、画像処理のAIはオープンソースのものもあります。画像認識AIは最近ようやく花開いたところであり、今こそチャンスです」

オフィス奥にある無人店舗の模擬店では、来店客がどの棚で立ち止まったか、どの商品を手に取ったかなど、画像認識AIがデータを収集する様子を体験できる。センサーの類は一切使用せず、AIによって客の性別や年齢のみならず、向いている方向や表情なども読み取ることができる

小売りや製造、公共交通も導入

鈴木代表は、従来のデータ活用の問題点として、データを集めても、それをどう活かすのかわからないという例が業種を問わず多いと指摘する。

テクムズのオフィス奥には、コンビニを模した小さな店舗が設置されており、「画像認識AIで何ができるか」の一例として、「顔パスによる無人店舗」を体験できる。

また、AIによる顔認証で年齢や感情などを瞬時に把握し、ベストなサービスを提案したり、来店客の雰囲気やセンスを記録して、見える化したりすることもできる。冒頭に紹介した『お出迎え』も含め、こうした活用事例の充実は、テクムズならではのものだ。

高度な技術は、口頭や文面で説明するだけでは伝わりきらない場合が多い。しかし、実体験が伴えば人は感動し、深く印象に残る。テクムズは、オフィスそのものを雄弁なショーケースにした。

テクムズが持つ最大の武器は、画像認識AIプラットフォーム『DEEPS』だ。DEEPSは、競合大手と比較しても同等以上の水準にあり、素早く、正確であるうえ、大手よりも導入コストを抑えられるというアドバンテージがあるという。

すでにDEPPSは小売店のほか、製造工場での品質・工程管理にも使われている。品質検査では97%の精度を記録しており、人が目視で行ってきたチェックを自動化して大幅な人件費の削減に貢献しているという。

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