2018年8月号
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クリエイティブのまち青山

表参道の名店「大坊珈琲店」 ブルーボトルに影響を与えた店づくり

大坊 勝次(大坊珈琲店 元店主)

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表参道交差点のほど近くで約40年にわたり人々に愛され、2013年に閉店した名店「大坊珈琲店」。このほど、福岡の珈琲美美(びみ)の元店主・故森光宗男氏との対談集出版を機に青山の山陽堂書店で大坊氏が珈琲をふるまうイベントも開催された。

大坊 勝次(大坊珈琲店 元店主)

大坊珈琲店は、1975年に南青山の青山通り沿いのビルの2階にオープンした。岩手県出身の大坊勝次氏は、18歳で上京後、珈琲店で基礎を学んだあとに夫婦で独立開業した。手廻し焙煎器による自家焙煎、ネル布によるドリップで時間をかけてゆっくり淹れる珈琲が多くのファンを魅了した。

「店を始めるとき、新宿か渋谷でと考えましたが、当時、新宿は賑やかで、渋谷はわりと静かなまちでした。そこで渋谷にしようと決めてあちこち探しましたが、渋谷の中心部は家賃も高かったので、渋谷の周辺を探しました。そこで見つけたのが青山の物件でした」と大坊勝次氏。

「青山は当時からハイカラなまちで、岩手から上京した私には、こんなハイカラなまちでやっていけるだろうかという気持ちもありました」

珈琲店が軌道に乗ったと思ったのは10年から15年経ってからだという。

「珈琲店というのは、来るか来ないかわからないお客様を待つ仕事でもあります。今でも鮮明に覚えているのは、10周年記念パーティーの日のことです。毎年開店記念日にパーティーを開いていたのですが、この日は台風がきて大雨で、お招きしたお客様がなかなか現れませんでした。その時、自分は『お客様を待つ』ということを仕事に選び、これからも待つことが仕事なのだとつくづく思いました」

ひとつの店を充実させる

支店を出していくことを考えた時期もあった。

「珈琲店はひとつの店舗での売り上げには限界があります。店を増やすことを考えて物件を探した時期もありました。しかし、2軒あっても自分で見られるのは1軒です。考えた末に、お客様と相対するお店にしたい、小さくても1店舗で中身を充実させていこう、と決めました。店に置く本やかける絵、流す音楽でいい空間になるようにしてファンを増やそうとしました」

「1軒で営業することは、自分がいないと成り立たない店ということでは決してありません。当時、年中無休で営業していましたので、当然私がいないときもあります。自分がいてもいなくてもいい店にしたいという思いがありました」

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