2018年7月号
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MPDの本棚

隠れたニーズを掘り下げる 『「欲しい」の本質』ほか注目の新刊

月刊事業構想 編集部

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――刊行から約半年を経て、読者からのご反響はいかがですか。

評価が極端に分かれるという印象です。大手企業などでマーケティングに携わった方々からは、体系的な手法を取り込み、新プロセスの創出に画期的なアプローチだと評価を頂いています。他方、経験やスキルの少ない読者は逆に実感をもって理解するのが難しいと感じるようです。

――インサイトの深耕に際してどのような切り口が重要でしょうか。

現在私たちが暮らす日本社会は、「概ね生活上のニーズは満たされた中で、次なる価値創造を要する」市場です。欲求(ウォンツ)は人の中に無自覚に潜在しています。既定路線の延長・改善ではなく、新しい市場の開拓は可能なのです。私たちはクライアントと共に既存路線のヒストリーを作ることで「新しくないものは何か」を明確にし、課題を見える化したいと考えました。

――アイデア創出の局面で必要な思考・アンテナとは何でしょうか。

人はしばしば効率的な生き方を志向するあまり、既成概念にまみれて暮らしており、起きている事実に向き合うことを疎かにしがちです。情報の錯綜する現代はなおさらです。私たちは心理学の投影法や人類学の参与観察といったアプローチを援用しながら「いま人々が何を求めているのか見に行く」ことを重視しました。それを本書で紹介しています。

例えば「おひとりさま」という言葉が生まれる前にも、ビジネスパーソンは「孤食・個食(一人で食事をしている場面)」を目にしていたと思うのです。しかしその事実に無自覚であったがゆえに、一種のチャンスを逃していたと言えます。

――本書でご提示の切り口は、地域活性を構想を志す事業家にも大きなヒントを与えそうです。

近年、盛んなシティプロモーションなどでも、「地域の魅力探し」というアセットの構築が先立ってしまっては、期待する成果を上げることは難しいでしょう。「市場」や「競合」といった括りを一旦取り払い、事実をよく観察することで、人が訪れる地や住まう地に何を求めているかが浮かび上がってくるはずです。本書を通じて、日常にある着想のヒントを伝えていきたいと思います。

「欲しい」の本質

――人を動かす隠れた心理
「インサイト」の見つけ方』

  1. 大松 孝弘・波田 浩之(著)
  2. 2017年12月刊行
  3. 本体1,500円+税
  4. 宣伝会議

 

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